君が心をくれたから⑤

REVIEW

第5話 すべて魔法のせいにして

キャスト

逢原 雨 … 永野芽郁  朝野太陽 … 山田裕貴  望田 司 … 白洲 迅
朝野春陽 … 出口夏希  柳田達夫 … 螢雪次朗  花村竜一 … 佐藤貴史
菊野 純 … 谷 恭輔  飛岡雄星 … 萩原 護  日下   … 斎藤 工
千秋   … 松本若菜  逢原霞美 … 真飛 聖  朝野陽平 … 遠藤憲一
逢原雪乃 … 余貴美子

 涙、涙、涙。雨の涙ばかりが印象に残った。ガンで余命が残り少ないことを雪乃から告げられた時。次に失われる感覚が触覚とわかった時。五感を失うことを雪乃に告げた時。訪れた施設で自分の未来を想像した時。太陽が全てを知って会いにきた時。さらにそれを受け入れずバスに飛び乗ったのに太陽が走って追っている姿を見た時。多くの場面で雨が涙を流していた。

 雨だけに限らず、彼女が五感を失うことを知った雪乃や太陽も。司は涙こそ流さなかったけれど、心では大粒の涙を流していたことは見てとれた。前回同様、皆がそれぞれ傷ついている状態なのだが1ランクも2ランクもアップしたような感じで最終回までどこまで上がっていくのか。

 雨はこれから五感が失われていくだけに、太陽と色々な場面で共感できないことに加え、負担をかけてしまうこともあり、大好きな太陽にあえて嫌われようと嫌な態度をとってしまう。

 今回の肝になっている「アラビアンナイト」と「指輪」。追ってきた太陽にもとへ行っても行かなくても後悔するならば、魔法のせいにして今は幸せな後悔をする。そして雨が太陽に願い事をするラストのシーンにつながってくる。もちろん前回も出てきた手紙、観覧車での大事な存在の人を語った言葉もそれを盛り上げている。いいシーンで心に残ったなあ。

 太陽の父・陽平がいうフラれた男ができる3つのことは格好良すぎるかな。多分、それができるヤツは振られないような気がする。

 後は太陽を振り切って雨はバスの乗り込むシーン。太陽は何で立ちすくんでいるんだろう。そんな雨が好きならば、すぐに雨捕まえないか。けっこうバスに乗り込むまで時間あったのに。

 そのバスの中では座席から立ち上がった日下が、雨を“魔法”で後押した時にニコっと微笑んだように見えたのだが、それは何か彼の過去と関係がありそう。最初に登場した時は感情を出さず冷静でミステリアスな雰囲気だったが、以前とは少し変化が出てきたようで雨と太陽の未来に関係してくるのだろうか。

 このあたりが少し気になった点。

 それにしても次は触覚か。人に温もりを感じられないってのもあるけれど、痛みを感じることができないっては危険すぎる。怪我しても気づかないし、考えただけで怖すぎる。

 味覚、嗅覚に続いて、触覚に関係する過去の思い出が出てきそう。そう思ってたら次回の予告で母親が出てくるようなので、母親との温もりとかだろうか。