君が心をくれたから⑥

REVIEW

第6話 声の手ざわり

キャスト

逢原 雨 … 永野芽郁  朝野太陽 … 山田裕貴  望田 司 … 白洲 迅
朝野春陽 … 出口夏希  柳田達夫 … 螢雪次朗  花村竜一 … 佐藤貴史
菊野 純 … 谷 恭輔  飛岡雄星 … 萩原 護  日下   … 斎藤 工
千秋   … 松本若菜  逢原霞美 … 真飛 聖  朝野陽平 … 遠藤憲一
逢原雪乃 … 余貴美子

 冒頭で雨と太陽が一緒に住んでいて、2人の距離が一気に縮まっている。一瞬、放送一回分、見逃してしまったかとの錯覚に陥った。でも、なんだかぎこちないところが、この2人らしい。

 今回は、家族の絆が多く描かれていた。雨が小学生の頃、雨と祖母・雪乃のボイスレコーダーでの行っていた声の交換日記と母・霞美を交えた最初で最後の家族旅行。

 余命少ない雪乃の最後の願いは、雨と霞美をもう一度親子に戻すこと。無理だという雨に太陽が、自分と違って、まだ「雨ちゃんのお母さんはまだ生きているから、ありがとうもごめんねもまだ伝え合える」といって向き合えというのは説得力がある。

 その言葉に従って、雨は海は砂浜で霞美とゲームという名の下で向き合う。そのゲームは砂浜に立てた棒の左右に間隔をとって立ち、じゃんけんをして勝ったら一歩進み、相手に質問する。それを繰り返して、先に棒にたどり着いたほうが勝ち。

 海もそのゲームもいきなりだったの唐突に感じた。昔、母との楽しい思い出のゲームとか場所だったらわかるし、感情も移入できたかもしれない。そうすれば「心から嫌いになれなかった」いう言葉がもっと活きてきて親子に戻るためのきっかけ、もしくはスタートとしてもっと印象に残ったと思う。

 雨という名をつけた理由はわかったが、雨を虐待していた理由は今回もよくわからなかった。父親が出ていってしまい色々なストレスがあって雨に当たってしまっていたのだろうという想像しかできない。引っ叩かれて、包丁を持って必要ないという回想シーンが何度か挿入されているけれど、これは雨の側からの回想であって、霞美側からはどうなんだろう。

 家族旅行の目的地は海の見える高台。そこへ向かうための山道。雪乃を雨と霞美の2人を支えて登る場面は、砂浜で思っていることを言って、雨の気持ちが少し変化してきているのがわかる。雪乃が最後に来たかった場所はプロポーズされた思い出の場所だった。そこで子供と孫に囲まれて「本当に良い人生だった」という雪乃は思い残すことがないという本当に良い顔をしていた。こういう言葉をいって死ねるのは理想。出来ればこういって死んでいきたいものだ。

 家族に焦点が当たっていたので、五感が失われていくというのが薄れていたが、忘れるなとばかりに最後の最後に…。知り合いの医師に聞いたところ、五感を失う病気はないと言われたと司から太陽に電話がはいるのだった。

 まさにどうなるの?次回も見たくなるのような最後のワンシーンだった。