なぜ水曜ドラマ枠(日テレ水10)は廃止になったのか?

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 日本テレビが3月7日に行われた2024春の改編説明会で水曜午後10時から放送していたドラマ枠の終了を発表した。

水曜ドラマとは?

 フジテレビの月9、TBSの日曜劇場と並ぶ日本テレビの看板ドラマ枠。古くは1985年10月〜1988年9月、1991年10月〜2024年3月までが連続テレビドラマが放送された。

ターゲットの層は?

 働く女性向けの作品が多く放送され主演は20代〜40代の女優が多い。

過去に放送された主なドラマは?

 「星の金貨」「ごくせん」「14歳の母」「ハケンの品格」「ホタルのヒカリ」「家政婦のミタ」「花咲舞が黙っていない」等。

廃止の理由

 2021年夏ドラマ「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」を最後に平均視聴率、最高視聴率ともに1ケタ台と低迷を続けている。

タイトル主演平均視聴率最高視聴率
2021ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜戸田恵梨香
永野芽郁
11.4%12.6%
恋です! 〜ヤンキー君と白杖ガール〜杉咲花8.7%9.6%
2022ムチャブリ! わたしが社長になるなんて高畑充希7.7%8.9%
悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜今田美桜7.5%8.5%
家庭教師のトラコ橋本愛5.8%7.5%
ファーストペンギン!奈緒7.2%8.9%
2023リバーサルオーケストラ門脇麦6.5%6.8%
それってパクリじゃないですか?芳根京子4.2%6.0%
こっち向いてよ向井くん赤楚衛二5.0%6.0%
コタツがない家小池栄子6.1%7.3%
2024となりのナースエイド川栄李奈7.7%8.8%
※日本テレビ水曜日10時枠ドラマ(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 日本テレビのゴールデンタイム、プライムタイムのドラマ枠は2024年3月の時点で、水曜日10時(水曜ドラマ)、土曜日10時(土曜ドラマ)、日曜日10時30分(日曜ドラマ)の3枠。その中で水曜10時枠がフジテレビが2022年4月よりドラマ枠を新設したためと競合。またテレビ朝日も2023年4月から日曜10時枠にドラマ枠を新設し、30分競合することになった。

タイトル主演平均視聴率最高視聴率
2022ナンバMG5間宮祥太朗5.4%6.6%
テッパチ!町田啓太4.8%7.6%
親愛なる僕へ殺意をこめて山田涼介3.8%4.7%
2023スタンUPスタート竜星涼3.3%4.1%
わたしのお嫁くん波瑠5.6%6.8%
ばらかもん杉野遥亮5.0%5.9%
パリピ孔明向井理4.5%6.1%
2024婚活1000本ノック福田麻貴2.8%3.6%
※フジテレビ水曜日10時枠ドラマ(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 水曜日10時のドラマ枠は廃止になるが、新たに土曜日9時にドラマ枠が新設される。

 昨今、特に平日の視聴率獲得が難しい中、唯一ドラマ枠が100%競合しているため時間帯だけあって、リアルタイム視聴率を日テレとフジで奪い合っている状態。そのため、ドラマ空白時間帯の土曜9時台に移動させて10時台と連続させてドラマ好きの視聴獲得を狙った編成になった。

まとめ

 視聴率低下、他局との競合、ドラマ連続放送といった理由で日本テレビの看板ドラマ枠がなくなる。

 ドラマ連続放送は月曜日のフジテレビを踏襲したものだが、リアルタイム視聴が減り、時代は動画配信サービスでの視聴が増加している中で、どの程度効果があるのかは疑問。