君が心をくれたから②

REVIEW

第2話 マカロンは恋と夢の味

キャスト

逢原 雨 … 永野芽郁
朝野太陽 … 山田裕貴
望田 司 … 白洲 迅
朝野春陽 … 出口夏希
柳田達夫 … 螢雪次朗
花村竜一 … 佐藤貴史
菊野 純 … 谷 恭輔
飛岡雄星 … 萩原 護
日下   … 斎藤 工
千秋   … 松本若菜
逢原霞美 … 真飛 聖
朝野陽平 … 遠藤憲一
逢原雪乃 … 余貴美子

あらすじ

○奇跡の代償として始まった、味覚のカウントダウン
 事故に遭い重傷を負った朝野太陽(山田裕貴)を救うため、逢原雨(永野芽郁)はあの世からの案内人・日下(斎藤工)と取引を交わし、五感を差し出す決断をする。太陽の命は救われたものの、雨の腕には残り時間と失われる感覚を示す時計が装着され、「口」のマークは味覚を意味していた。日下は、奇跡の存在は口外してはならず、真実を話せるのは太陽だけだと忠告する。こうして雨は、誰にも言えない代償を背負いながら、静かにカウントダウンを生き始める。

失われゆく味覚と、向き合う過去の夢
 味覚を失うまでの残り時間を知った雨は、好きなものを食べ尽くそうと街へ出る。その途中で「長崎スイーツマルシェ」の開催を知り、かつて解雇されたパティスリー「レーヴ」のオーナー・田島守(ジャン・裕一)と再会する。逃げるように辞めた過去を謝罪する雨に、田島は才能を見込んでいたからこそ厳しくしたと告げ、互いの誤解は解けていく。夢を諦めたと思っていた雨の中に、まだ消えきらないパティシエへの想いが残っていることが、静かに浮かび上がる。

太陽が知った、母の死の真実
 一方の太陽は、福岡で起きた花火工場の火災をきっかけに、亡き母・明日香の死の真相にたどり着く。原因は幼い頃の自分の行動であり、母は太陽を助けるために命を落としていたのだった。父・陽平(遠藤憲一)が母の写真を処分していたのも、太陽が写真を見るたび過呼吸を起こしていたからだったと知る。罪悪感と後悔に押し潰されそうになりながら、太陽は涙ながらに父と妹・春陽(出口夏希)に謝り続ける。

○逃げないでほしい—大浦天主堂での約束
 母の死の真実を知り、太陽は姿を消してしまう。雨は電話口から聞こえた賛美歌を頼りに大浦天主堂で太陽を見つけ出す。約束を果たせないと弱音を吐く太陽に、雨は「自分は最後まであがくから、太陽も逃げないで」と訴える。雨自身も、失われゆく五感という現実から逃げずに向き合う覚悟を固めていた。互いに傷を抱えながらも、支え合おうとする二人の姿が、厳かな教会の空気の中で強く胸に残る。

○母との和解、そして消えた“味”
 雨は祖母・雪乃(余貴美子)の力を借り、母・霞美(真飛聖)が入院する病院を訪れる。直接会うことは叶わないものの、雨の作ったマカロンに込められた「あなたは特別な人」という想いは霞美に届き、電話越しに励ましの言葉が交わされる。その夜、雨は太陽のためにマカロンを作り、翌朝手渡す。しかし最後の一口をかじった瞬間、時計の数字はゼロになり、味覚は完全に失われてしまう。静かで残酷な喪失が、雨の現実となった。

見どころ

○味覚を失う演出が生む、圧倒的な切なさ
 第2話最大の見どころは、味覚という“生きる喜び”が静かに消えていく過程の描写にある。残り時間を示す腕時計、マカロンの甘さを噛みしめる雨の表情、そして無味となった最後の一口。そのすべてが、派手な演出を排しながらも観る者の感情を鋭く切り裂く。失う瞬間があまりに静かであるからこそ、取り返しのつかなさが際立ち、雨の選択の重さが強烈に伝わってくる。

○親子の物語としての深み
 太陽と両親のエピソードは、本作を単なる恋愛ドラマ以上のものにしている。母を死なせた原因が自分だったと知った太陽の慟哭と、それを背負わせまいとした父・陽平の不器用な優しさ。さらに雨と母・霞美の関係も、加害と被害の単純な構図ではなく、互いに想いながらも壊れてしまった親子の悲しさとして描かれる。親子それぞれの“赦し”の物語が、静かに交錯する回となっている。

○太陽が“異変”に気づき始める終盤
 ラストで太陽は、偶然出会った日下と千秋に違和感を覚え、声をかけようとして立ち止まる。雨の身に起きている異変に、ついに太陽が近づき始めた瞬間だ。雨が隠し続けてきた代償は、いつか必ず太陽に知られる運命にある。その予感を含んだ不穏な余韻が、次回への強い引きを生み出している。

感想

 第2話の始まりは火事のシーンから。必死に消火活動をする人たち。そして現場で横たわる少年、意識が遠のいたところでベッドから目を覚ます太陽。昔の記憶?

 時代劇でよく初回の始まりが火事のシーンで始まることがあるので、それを思い出した。どうせなら、それにならって初回の最初にもってきても縁起担ぎしても良かったんじゃないかな。

 存命しているけれど、病院にはいっている雨の母・霞美、亡くなってしまった太陽の母・明日香。前者は雨を虐待で殺してしまうからと離れ離れ、後者は火事で太陽を助けて離れ離れに。雨と太陽だけでなく、母親も対比させて描いているのがなんとなく面白いなと感じた。

 そして今回は何といっても外せない、サブタイトルにもなっているマカロン。花言葉はそれなりに知っていたけれど、お菓子言葉は全然知らなかった。お菓子にそれぞれ特別な意味があったとは…。

 五感のうち、最初に奪われてしまうのは味覚。高校時代の淡い思い出の味であるマカロンをもう二度と味わうことが出来ない。さらに味覚を失うということはパティシエとして夢をも閉ざされることを意味する。