君が心をくれたから⑩

REVIEW

第10話 人生いちばんの笑顔で

キャスト

逢原 雨 … 永野芽郁
朝野太陽 … 山田裕貴
望田 司 … 白洲 迅
朝野春陽 … 出口夏希
柳田達夫 … 螢雪次朗
花村竜一 … 佐藤貴史
菊野 純 … 谷 恭輔
飛岡雄星 … 萩原 護
日下   … 斎藤 工
千秋   … 松本若菜
逢原霞美 … 真飛 聖
朝野陽平 … 遠藤憲一
逢原雪乃 … 余貴美子

あらすじ

〇人生で一番大切な10秒間の花火
 朝野太陽(山田裕貴)は、桜まつりの花火大会で打ち上げる花火の審査に合格したことを雨(永野芽郁)に報告する。トップバッターは父・陽平(遠藤憲一)、その次が太陽という大役であった。太陽は、花火の内容については当日まで秘密だとしつつ、「俺の人生で一番大切だった10秒間」を形にしたものだと語る。その言葉に雨は胸を躍らせ、限られた時間の中で迎える桜まつりが、2人にとってかけがえのない節目になることを予感する。

〇母に伝えた真実と最後の願い
 桜まつり当日、雨は司(白洲迅)に頼み、入院中の母・霞美(真飛聖)のもとを訪れる。杖をつく雨の姿に驚く霞美に、雨は触覚を失い、間もなく視覚も失う運命を打ち明ける。涙を流す霞美に、雨は「お母さんの笑顔が見たい」と願い、幼い頃から大切にしてきた雨粒のワッペン付きハンカチを握らせる。霞美は優しい笑顔で雨を抱きしめ、「生まれてきてくれてありがとう」と伝え、親子の心は静かに通じ合う。

〇事故と迫り来る絶望の雨
 花火大会の準備が進む会場で、天候は急変し、強風と雨が吹き荒れる。その最中、太陽は倒れてきた打ち上げ筒の下敷きとなり、病院へ搬送されてしまう。一方、会場へ向かう雨と司は渋滞に巻き込まれ、太陽と連絡も取れなくなる。目覚めた太陽は、雨の視力が限界に近いことを伝え、8時までに必ず花火を上げてほしいと父に託す。すべてが間に合わないかもしれないという不安が、登場人物たちを覆っていく。

〇母として選んだ、最後の奇跡
 太陽は日下(斎藤工)と千秋(松本若菜)に雨を止められないかと問いかけるが、案内人である彼らは無力だと告げる。だが千秋は、自らの正体を明かすことで奇跡を起こす決断をする。「私、あなたのお母さんなの」と太陽に告げた瞬間、天との約束は破られ、千秋は消える運命を受け入れる。雨は弱まり、やがて満月が姿を現す。千秋は、太陽の花火を雨の心に届けてほしいと願い、静かに姿を消していく。

〇赤い傘が咲かせた夜空
 春陽(出口夏希)に支えられ、転びながらも会場へ急ぐ雨は、ついに太陽と合流する。8時直前、陽平の花火が夜空に上がり、続いて太陽の番が訪れる。太陽は、人生で一番大切だった10秒間が、赤い傘を持った雨に初めて声をかけた瞬間だと明かす。そのイメージ通り、赤い花火が夜空に咲く。だが雨はその花火を直接見ることはできない。それでも「綺麗な赤だった」と伝え、太陽の夢が叶ったことを心から祝福する。

見どころ

〇母が選んだ消える奇跡
 千秋が母として太陽に名乗り出る場面は、本作屈指のクライマックスである。自分が消えると知りながら、息子の未来と花火の成功を選ぶ姿は、無償の愛そのものだ。奇跡は誰かを救う一方で、必ず何かを失わせるという、この物語の核心が、最も美しく、そして切なく描かれている。

〇見えなくても届いた花火
 太陽の花火は、雨の視界には映らない。それでも雨は、太陽の言葉と想いを通して、その赤い輝きを心で受け取る。五感を失いつつある雨と、花火師として夢を掴んだ太陽。2人の立場は対照的でありながら、同じ10秒間を共有している点が、この場面に深い余韻を与えている。

〇10秒間に込められた人生
 本話では「今という10秒間」というテーマが、花火という形で結実する。人生で最も大切な瞬間を思い出し、それを誰かに届けるという行為は、太陽自身の生き方そのものである。夢と愛、喪失と希望が凝縮された10秒間は、物語全体を象徴する決定的なシーンとなっている。

感想

 このドラマ最大の見せ場とも言えるのが太陽の花火を雨が見る場面なんだろうと思っていた。

 視覚を失う前に母の笑顔を見て、そして花火会場へ。途中の渋滞や太陽のアクシデント、悪天候で中止の可能性もなんてのは最後の見せ場を盛り上げるためには必要だ。

 でもそれは間に合ってこそ、数々の困難が生きてくるのだが、それでないならガッカリだ。頑張ったから必ず報われるとは限らないんですなんてことはわかっているし、そんなものをドラマで見たいわけではない。

 テントを固定しようとして太陽。強風で崩れてきた筒の下敷きになり、病院へ搬送。雨は渋滞に巻き込まれ、車を降りて走って会場へ向かう。天候は悪くなる一方で花火大会の中止も検討される始末。

 どうなるのやらと思っていると千秋が天との約束を破って雨を止ませる手段を選ぶ。太陽と千秋、母と子の本当の意味での再会は前回以上に泣けた。母を名乗った瞬間に消えてなくなってしまうのかなと思ったけれど、お互いの思いを伝える時間はけっこうあって良かった。意外と時間あるなと思ってみていたけれど、天もその辺は大目に見てくれたのだろう。

 おそらく、数秒の差で見ること雨は太陽の花火を見ることはできなかったけれど、また聴覚はあるから音などや最後に光などは視界に入って感じることはできたと思う。太陽は赤が見えないから、もし雨が間に合って見ることができても2人とも同じには見えてないはず。だから、雨が見ることができなかったおかげで、同じものを2人は頭の中では見て感じていたとせめて思いたい。

 しかし、太陽は悔しいだろうな。10年か願い続けてかなえた夢を雨に見せれなかったのだから。

 最終回はここからどうやってこの物語を締めるのか。