パンチドランク・ウーマン ー脱獄まであと××日ー⑤

REVIEW

第5話 罠

キャスト

冬木こずえ … 篠原涼子
日下怜治 … ジェシー(SixTONES)
海老原秀彦 … 小関裕太
パク・ハユン … 知英
渡海憲二 … 高橋努
羽田美波 … 尾碕真花
知念智明 … 柏木悠(超特急)
藤谷瑠美子 … 沢村玲(ONE N’ ONLY)
関川信也 … 新納慎也
鎧塚弘泰 … 河内大和
仲間加世子 … 中島ひろ子
白井宗政 … 遠山俊也
沼田貴史 … 久保田悠来
西城直哉 … 小久保寿人
小豆務 … 団長安田(安田大サーカス)
反町耕作 … 柾木玲弥
河北竜馬 … カルマ
熊沢一太郎 … 高岸宏行(ティモンディ)
高田彩月 … 星乃夢奈
仲間篤志 … 越村友一
冬木こずえ(大学時代) … 大原梓
佐伯雄介(大学時代) … 井上想良
日下寿々 … 梶原叶渚
日下秋彦 … 大澄賢也
日下春臣 … 竹財輝之助
冬木誠子 … 山下容莉枝
日下在賢 … 山田明郷
小柳太介 … 宇梶剛士
長田竜司 … ベンガル
佐伯雄介 … 藤木直人

あらすじ

○部下の裏切りと懲戒の危機
 氷川拘置所の刑務官・冬木こずえ(篠原涼子)は、集団暴行の罠から日下怜治(ジェシー)に救われるが、依然として内通者の疑いをかけられ懲戒処分の危機に立たされる。脱獄に手を貸す裏切り者は部下の刑務官・海老原秀彦(小関裕太)であったが、こずえはまだ真実を知らない。守るべき部下の中に敵がいるという現実が、拘置所の信頼構造を根底から揺るがしていく。

○再捜査が暴く新たな可能性
 一方、刑事・佐伯雄介(藤木直人)は怜治の妹・日下寿々(梶原叶渚)の体に虐待の痕を見つける。父・日下春臣(竹財輝之助)による虐待の可能性が浮上し、追い詰められた寿々が父に手をかけたのではないかという仮説が生まれる。もしそうなら怜治は妹をかばったことになる。佐伯は事件当日の目撃情報や証拠を改めて洗い直し、事件の構図は大きく揺らぎ始める。

○改心か、策略か
 懲罰室でこずえと向き合った怜治は、護送中に脱獄を図る計画と海老原の関与を認める。自分も一度は脱獄に加わったが気が変わったと語り、「自分を大切にしてみる」と告げる。そして父親殺害を否定し、妹を守るために黙っていたと明かす。こずえはその言葉を信じるが、それは巧妙に張り巡らされた罠であった。信頼の隙間に、裏切りの刃が潜んでいたのである。

〇裏切りの一撃
 すべては怜治の計算であった。油断したこずえを殴り倒し、冷酷に裏切りを告げる。海老原への暴行も、こずえをおびき出すための演技だったことが判明する。絶望の中で意識を失うこずえ。守るべき規律も、信じた言葉も一瞬で崩れ去る。怜治の本心はどこにあるのか。救いと見えた行為が、最悪の裏切りへ転じる衝撃の展開である。

○走り出す護送車
 再捜査を進める佐伯は、犯行当日に怜治が札束入りのバッグを抱える映像を入手し、金銭目的の犯行を疑う。急いでこずえに警告の電話を入れるが応答はない。その頃、拘置所では怜治、沼田貴史(久保田悠来)、西城直哉(小久保寿人)、三津橋宏行(堀内健)、鎧塚弘泰(河内大和)、そして海老原を乗せた護送車が裁判所へ向けて出発していた。こずえは拘置所内で監禁されたまま意識を失っている。

見どころ

○信頼の崩壊
 こずえが怜治を信じた瞬間に裏切られる展開は、本作最大級の心理的衝撃である。恋情にも似た感情と職務上の信頼が同時に打ち砕かれ、主人公の精神的崩壊が加速する。ヒロインの転落劇として極めて強烈である。

○無実の可能性という揺さぶり
 寿々への虐待疑惑により、怜治無実説が一気に現実味を帯びる。観る者の視点も揺さぶられ、彼を信じたい気持ちと疑う理性がせめぎ合う構造が巧みである。ミステリーラインの厚みが増した重要回である。

○脱獄カウントダウン
 護送車が走り出すラストは、ついに計画が実行段階に入ったことを示す緊迫のクライマックスである。内部犯、教団、怜治の真意が絡み合い、物語は後戻りできない局面へ突入した。

感想

 信頼と裏切りのコントラストが凄まじい衝撃回だった。怜治の改心の描き方がとにかく巧妙。見ているこちらもこずえと同じ視点に立たされて、淡い期待を抱いた瞬間に突き落とされる展開はあまりにも残酷だった。

 一方で、佐伯の再捜査によって事件の真相はさらに混迷した。妹・寿々への虐待疑惑により無実なのか?札束入りバッグを抱える映像を見ると犯行を犯しているようにも思える。完全に白とも黒とも言えず、余白を残している点が非常に巧妙である。

 護送車が走り出し、こずえが監禁されたままで終わるシーンに次回への期待と不安を抱かせた。