第11話 雨の音色と未来の約束
キャスト
逢原 雨 … 永野芽郁
朝野太陽 … 山田裕貴
望田 司 … 白洲 迅
朝野春陽 … 出口夏希
柳田達夫 … 螢雪次朗
花村竜一 … 佐藤貴史
菊野 純 … 谷 恭輔
飛岡雄星 … 萩原 護
日下 … 斎藤 工
千秋 … 松本若菜
逢原霞美 … 真飛 聖
朝野陽平 … 遠藤憲一
逢原雪乃 … 余貴美子
あらすじ
〇見えなかった花火と残された時間
桜まつりの夜、雨(永野芽郁)は太陽(山田裕貴)が作った花火を視覚で見ることができなかった。視覚を失うタイムリミットに間に合わなかったためである。悔しさを爆発させる太陽に対し、雨は「10年間願い続けた夢を叶えてくれてありがとう」と微笑み、感謝を伝えた。日付が変わる午前0時、最後に残された聴覚のタイムリミットが表示される。それは3月31日午後4時。雨は、聴覚を失う瞬間に、太陽の言葉を最後に聴きたいと願い、彼にある約束を託す。
〇最後に聴きたい言葉のために
雨は日下(斎藤工)から聴覚喪失の期限を聞き、太陽に「心を支える言葉」を最後に聴か せてほしいと頼む。それまでの時間を、2人は長崎の街を巡りながら、精一杯笑って過ごす。長崎孔子廟、眼鏡橋、観覧車など、思い出の場所を再訪する日々の中で、太陽は伝える言葉を考え続けていた。限られた時間の中で積み重ねられる一瞬一瞬が、2人にとって永遠に残る宝物となっていく。
〇さよならの嘘と優しい別れ
3月31日、雨は最後に行きたい場所として母校を選ぶ。春陽(出口夏希)にメイクをしてもらいながら、夢も人生も大切にしてほしいと伝え、春陽は花火師になることを約束する。夕暮れの教室で、雨は「太陽くんが隣にいてくれる人生でよかった」と感謝を述べ、もう会いに来ないでほしいと頼む。実は雨は、聴覚を失う時間を1時間遅く伝えるよう日下に頼んでいた。最後に太陽の言葉を聴いたら、別れがつらくなるからだった。
〇心を返すという選択
翌朝、雨は五感が戻っていることに気づく。だが司(白洲迅)から、太陽が急性心不全で亡くなったことを告げられる。太陽は前夜、午前0時に自分が死ぬことで雨の五感が戻ると家族に伝えていた。日下は、奇跡とは選択を見届けるためのものだと語る。雨が心を捧げたあと、太陽はその心を受け取らず、雨に返す道を選んだのだ。雨と生きた時間を、太陽は奇跡そのものとして受け止めていた。
〇未来へ続く赤い傘
後日、雨は春陽から太陽が残したメモを受け取る。スマートスピーカーから流れた太陽の声は、感謝とともに「未来の約束」を語り、パティシエとして生きる雨の背中を押した。さらに、太陽が残していた予備の花火が打ち上げられ、夜空には赤い傘を思わせる花が咲く。数年後、雨はパティスリー「SUN&RAIN」を開く。降り出した雨の中、赤い傘を差し、雨は太陽に約束を果たしたことを報告するのだった。
見どころ
〇奇跡の本当の意味
本作における奇跡は、五感を失う運命そのものではなく、そこから導き出される選択にこそ意味があった。太陽が自らの命と引き換えに雨の未来を守る決断を下したことで、奇跡は完成する。誰かを救うために、何を選び、何を手放すのか。その問いが、最終話で明確に示される。
〇言葉が支える心
雨が最後に聴きたかったのは、音ではなく、太陽の想いであった。直接その言葉を聴くことは叶わなかったが、残された声と行動は、雨の人生を確かに支え続ける。五感を超えて心に届くものがあるという、本作のテーマが静かに結実する場面である。
〇喪失の先にある未来
最終話は悲劇で終わらず、雨が未来を生きる姿を描くことで物語を閉じる。パティスリーを開き、人を幸せにする道を選んだ雨の姿は、太陽の願いそのものである。赤い傘と花火に象徴される記憶は、喪失を抱えながらも前へ進む力となり、優しい余韻を残して幕を下ろす。
感想
残された五感の最後となる聴覚が失われるまでのタイムリミットは後一週間。その間、雨と太陽はたくさん笑おうと約束し、幸せな時を過ごすが、お互いの心の中は辛いだろうな。自分が五感を失う立場だったら、もう死刑へのカウントダウンされているようで、楽しむどころじゃなくて気が狂いそう。おそらく心が病んでしまう。そう考えるとこんな過酷な状況に立ち向かっていて雨は強すぎる。
そして当日、最後に雨が望んだ場所は学校。2人が初めて出会って、たくさんの思い出がある場所だ。始まった場所で終わる。意味ありげで、五感を失った瞬間に何か起こりそうだと思っていたが、これまで1つずつ失ってきた時と変わらず。違うのは、もう雨とは意思の疎通ができないこと。ちょっと拍子抜けだ。
教室で時間を聞いた時点で、もしかしてリミットは4時ではなく3時というのはわかった。ただ、太陽にしてみたら伝えたい言葉伝えられず、こんな悔いをのこしたまま終わってしまうのかと思った。
また、五感喪失後、彼女の内側は描かれなかったが、どういう状態だったのだろう。外に伝えられないだけで何か思っていたことはあっただろうに。
でも、まだ奇跡は終わらない。翌日、雨の五感は戻るが、太陽は亡くなっていた。雨が差し出した心を太陽は返して命を落とすことを選択していた。奇跡とは与えられた奇跡に対して2人が何を思い、どんな選択をするのかを見つめるために存在する。雨は心を捧げる選択をしたが、太陽のどういう選択をするのかっていうがこのドラマだった。
日下と白石小夜子も選択によっては違った未来を迎えていたのかもしれない。日下の脚本家になる夢を叶えた未来も。
そう考えるとこの奇跡は挫折していた太陽と雨の夢を叶えるためのチャンスを天が与えたのでないか。太陽は命を落としてしまったが、2人とも選択は間違っていなかったんじゃないだろうか。
さらに母・明日香の言葉も春陽に伝えられ、彼女は太陽の意志をついで花火師に。雨は聞けなかった支える言葉も聞け、さらに太陽の花火も見ることができた。そしてパティシエの夢もかなえた。最後は天からの雨で赤い傘を開いてエンディング。
こうしてみると雨の五感がもどってからのボリューム感がすごい。今までの色々な伏線をここで回収していた。
ラブストーリーといえば月9だが、内容的には暗く重いので週初めの月曜日からは見るには疲れた。最終回の後半は特に疲れた。内容的に木曜日の10時枠でも良かったかなと思う。でも結末は良かったし、心をくれるどころか奪われたドラマだった。
