CALL−3 急増・外国人通報!エリート管制員の葛藤
キャスト
粕原雪 … 清野菜名
兼下睦夫 … 瀬戸康史
新島紗良 … 見上愛
与呉心之介 … 一ノ瀬颯
箕輪健介 … 前原滉
上杉昴 … 酒井大成
田中悠 … 三浦獠太
粕原小夏 … 蓮佛美沙子
粕原春香 … 堀内敬子
粕原銀 … 遠山俊也
高千穂一葉 … 中村ゆり
堂島信一 … 佐藤浩市
あらすじ
○紗良の背景と揺れる心
指令課3係の同僚 新島紗良(見上愛) の心情から始まる。紗良は普段職場ではあまり自分のことを語らないタイプだが、大学時代からの恋人から 海外転勤の話 を聞かされる。この転勤の話は紗良自身がかつて「海外で働きたい」と語っていた過去と重なり、今の仕事を続けるべきかどうか迷いが生じる。恋人の言葉に揺れる紗良は、自分の仕事…119番対応の重責と向き合いながらも、プライベートで大きな決断の時を迎えていた。仕事への誇りと将来への可能性との間で板挟みになる紗良の揺れる気持ちが丁寧に描かれる。
○雪の仕事愛が浮かび上がる瞬間
雪(清野菜名)は出勤早々、分譲住宅のチラシに目を留めていた。与呉心之介(一ノ瀬颯)や箕輪健介(前原滉)は「家でも買うのか」と驚くが、雪は否定する。そのチラシは、外観が似た住宅が並ぶ地域からの通報対応を思い出し、どうすれば住所以外の手がかりで場所を特定できるかを考えていたためだった。この場面は、雪が常に119番対応のことを頭から離さず、日常と仕事の境界がなくなっていることを象徴する。仲間たちは仕事熱心な雪を称賛するが、それが周囲に受け止められる形と、本人の思いの重さが際立つシーンでもある。
○中国人男性からの通報対応
ある日、雪のもとに 中国人男性からの救急通報 が入る。妊娠中の妻が動けないという状況だが、通訳センターを通しても通報者の位置がうまくつかめない。翻訳された言葉だけでは現場が絞り込めず焦る雪。この時、隣にいた紗良が、通訳では訳されていない発音やニュアンスに意味があることを指摘する。紗良の鋭い観察によって、通報者の言葉の裏にあるヒントが見えてくる。このやり取りは、言語だけでなく文化や感覚を読み取る重要性を示し、119番対応の奥深さとチームでの対応の強さを描く場面になる。
○休憩中の思いと言葉
休憩時間、雪は紗良に先ほどの通報対応での礼を述べ、外国語の勉強方法を尋ねる。しかし紗良は素っ気なく、通訳サービスを使いどう精度とスピードを上げるかが大事だと語るだけだった。このやり取りから、紗良が他人と壁を作る理由、そして自分のスタイルで仕事を全うしようとする頑なな姿勢が浮かび上がる。雪は紗良の言葉に少し戸惑いながらも、同僚として理解しようと努める。対人関係の距離感、仕事人としての誇り、そして本音を語れない辛さがこの休憩中のシーンに込められている。
○仕事後の気づきと仲間の誘い
仕事後、雪は通報があった中華街へ向かい、実際の現場周辺を歩く。すると、通訳で最初に翻訳されたホテルという言葉に着目し、中華街で異なる名前ながら通訳された単語と一致する 違法民泊施設を発見する。この発見は通報対応の精度を上げるヒントとなる。そして高千穂一葉(中村ゆり)から「行きつけの店へ行こう」と誘われ、与呉や箕輪、兼下睦夫(瀬戸康史)らと飲み会に出かけることに。だが紗良はその誘いを断り、ひとりで考えを整理する時間を選ぶ。仕事とプライベートの両立、仲間との距離感が深く描かれるエピソードだ。
見どころ
○増える外国人通報へのリアル対応
急増する外国人からの119番通報対応だ。翻訳サービスを介しても場所が特定できないという状況は、指令官の聞き取りスキルだけでなく、言語の裏にある文化的なヒントや発信者の意図を読み取る力が求められることを示している。雪と紗良の協力により、通報者の翻訳されない言葉の意味が現場特定につながるシーンは、視聴者に言葉の壁があっても救命のためのコミュニケーションが成立するプロセスの奥深さを伝える。また、多様な背景を持つ人々とのやり取りが日常的に増えていく現代社会のリアルな一面も描かれている。
○紗良の葛藤と個人ドラマ
紗良が恋人との海外転勤の話をきっかけに、自身の将来や今の仕事への誇りと向き合う姿が丁寧に描かれる。かつて海外で働きたいという夢を持っていた一方で、現場で通報対応という責任ある仕事に誇りを持つ今の自分…その狭間で揺れる心の動きが視聴者の共感を呼ぶ。恋人との関係、仕事への情熱、そして自分の居場所を見つめ直す紗良の個人ドラマは、単なる職場ドラマを越えたヒューマン要素を作品にもたらしている。
○仕事愛としての119対応の深さ
雪が分譲住宅のチラシを見ながら住所以外の手がかりを考えるように、119番対応は単に住所を聞くだけではなく、通報者の言葉や環境情報を総合して現場を想像する作業が伴う。こうした想像力は雪の武器でもあり、視聴者にとって119番対応という見えない現場の奥深さを理解する大きなポイントだ。また、仕事後に実際の現場周辺を歩き回る雪の姿は、耳だけでなく体感として現場を知ろうとする仕事愛を象徴している。この姿勢がドラマ全体のテーマ性を強化している。
感想
紗良と外国人からの通報に焦点を当てたのが第3話。クールで周りの人間とは距離を置き、さらには見下しているようにも見える。
飲み会で交際している彼に海外転勤に話が出ていることを知り、そして体調も悪く、さらには通報者からは男性に変われと激昂され、負の連鎖が続き、かなりナーバスな様子。
そんな彼女を救ったのは高千穂と堂島。高千穂には消防で働くことになった理由と悩んでいることを語り、堂島には必要がないと思っていた雑談の意味を教えられる。
職場にこうやって話を聞いてくれたりアドバイスしてくれる人がいるのは貴重だ。特に堂島は紗良のことを否定せず、諭しながらもアドバイスしてそれを雑談だと言って重くならないようにしている。
そして、昨今の出産祝いの問いかけに答えてもらって、これでおあいこだよとばかりに「お前さんに聞いてよかったよ」という表情が何とも心憎い。
そんな堂島とのやりとりをしている紗良の表情が穏やかで、職場でもこういう表情ができるんだと意外に感じた。
意外と言えば酔うと笑い上戸になる兼下。いつもと違って、今回はむすっとしていることもなく、酔って笑っているだけであまり存在感はなかったかな。
「助けてと言えるヤツがタフなんだ」という堂島。それが紗良の心に響いたのか、それがスペイン語で話す女性からの通報の時にいきてくる。
今までなら決して雪に聞いたりしないのに、ホテルから通りまでの距離を聞いて助けてもらっている。そして極めつけは、このままでは居場所を特定できないと察知すると、その女性に日本語で「助けて」と叫んでくれと頼む。
時には意地を張らずに「助けて」と言って人に助けてもらうのも大事だよって回だった。「助けて」という言葉は心に残ったけれど、仕事が終わった後に雪と紗良がお互いに「ありがとう」と言い合っているのも素敵だなと思った。助けてもらった後にどうするか?本当に言いたかったのはこのシーンなのかも。

