119エマージェンシーコール⑤

REVIEW

CALL−5 何度裏切られても、その声を信じる

キャスト

粕原雪 … 清野菜名
兼下睦夫 … 瀬戸康史
新島紗良 … 見上愛
与呉心之介 … 一ノ瀬颯
箕輪健介 … 前原滉
上杉昴 … 酒井大成
田中悠 … 三浦獠太
粕原小夏 … 蓮佛 美沙子
粕原春香 … 堀内敬子
粕原銀 … 遠山俊也
高千穂 一葉 … 中村ゆり
堂島信一 … 佐藤浩市

 相次ぐ緊急性の低い救急車要請への対応に高千穂が頭を悩ませている。そんな中、雪は公衆電話から男性の通話を受ける。知人の順子が倒れたようだという男性の要請により、兼下は順子のマンションに消防隊を向かわせるが、男性が告げた部屋番号の住人は別人だった。さらに同じマンションからは別の通報が入り、混乱した事態は思わぬ騒動に…。


 必要性のない救急への通報。虚偽通報をして嫌がらせをするストーカーと救急車要請を後回しにされたとSNSで騒ぎ立てるインフルエンサーの話。

 まずストーカーだけでもされる側にとっては迷惑な話で、嫌がらせ?をするために虚偽の通報をされて巻き込まれてしまうのは堪ったものではない。もちろん通報される消防も。

 しかも社会経験の乏しい若者ではなく70歳を超えた老人だから余計にひいてしまう。暴走老人といったところか。

 実際にも似たような通報はどれくらいあるのだろうか?電話口の声は録音されているだろうし、いたるところに監視カメラはあるし、下手すれば身元特定されて捕まってしまいそうだから、普通はやらないよなあと思うのだが、そうじゃない人もいるからなあ。

 見ていて、老人・岩瀬のストーカーより若者が「救急車を読んでみた」とかでSNSや動画配信サイトにあげた話で展開して、最後は炎上して逮捕されて解決とかのほうが現実にもありそうかなと思った。

 ただ、それだとインフルエンサー小宮の自分を後回しにして老人を優先したという話にはつながらなくなるけれど。

 いつものように現場に行った挙句、小宮に写真を取られてしまいSNSに挙げられてしまった雪。兼下に気をるけろと言われていたのにも関わらず相変わらずだな。それによって消防への不信感を抱く電話はあったもののネット上ではどうだったのだろう?小宮の書き込み以外でも炎上して叩かれそうなのに描かれていなかった。

 後回しにされて重大な障害が残ったとか命を落としたとかでニュースになったとかなら、ともかくインフルエンサーが文句を言ってている程度で会見ってするものなのかな?会見してしまうと知らない人にまで耳に入ってしまうし、何より落ち度があったと認めてしまうことになる。

 最後は岩瀬の悪事がバレて逮捕。小宮も痛風だったことがバレて炎上。一見落着となるが、今回の話の中に虚偽通報や必要のない救急車要請をしないでくれというメッセージを込めているのならば、イマイチ響かない。

 司令管制員や消防救助隊の徒労、さらに焦点があたった高千穂の管理職の苦悩は見て取れたが、やはり必要ない通報によって重大な被害がなかったからだろう。

 だから、会見終わりでの田中が119番の適正な利用を必死に訴えるシーンもあまり生きてこなかった。いいシーンなのにもったいない。