第9話 衝突する天音と凛・バディ解散の危機!
キャスト
天音蓮 … 玉木宏
栗田凛 … 岡崎紗絵
深山俊雄 … 小手伸也
沢木孝雄 … 野間口徹
佐久間凌 … 渡部篤郎
野島聡介 … 片岡久道
濱名沙月 … 結城モエ
山田ビンゴ … 伊藤俊介(オズワルド)
氷室貴羽 … 長谷川京子
あらすじ
○親友の結婚と疑惑の男
栗田凛(岡崎紗絵)は大学時代の親友・三原千尋(齊藤京子)と久しぶりに再会する。千尋はカフェを経営する浦野琢磨(佐野和真)と交際しており、来月結婚する予定だという。凛は親友の幸せを心から喜ぶ。だがその直後、「オリエント保険」の沢木孝雄(野間口徹)が緊急の調査依頼を持ち込む。3年前に妻を病死で亡くし1億円の保険金を受け取った男が、再婚相手も同じく糖尿病による心臓発作で死亡させた疑いがあるというのだ。調査対象の男の名前を聞いた凛は愕然とする。それは千尋の婚約者・浦野だったのである。
○天音の疑念と凛の反発
天音蓮(玉木宏)は、過去に保険金殺人を操った氷室貴羽(長谷川京子)が今回の事件にも関わっている可能性を疑う。警視庁の刑事・佐久間凌(渡部篤郎)に協力を求め調査を開始するが、凛には事件から離れるよう命じる。親友の婚約者を疑われた凛は怒り、自分の手で浦野の潔白を証明すると宣言する。一方、浦野の最初の妻・市村佳菜子(見方あゆ実)の死亡現場から、貴羽の関与を示す“白い羽根”が発見されていた事実が明らかになる。天音と佐久間は、事件の背後に貴羽がいる可能性を強く意識しながら調査を進める。
○浮かび上がる浦野の過去
調査によって浦野の過去が明らかになる。自称タレントだった浦野はフィットネスクラブで佳菜子と出会い、1000万円以上の借金を肩代わりさせたうえ、彼女の財産を使い果たしていた。さらに佳菜子の死亡後、保険金でカフェを開業したが、浪費によって資金を使い切っていたことも判明する。その後、2人目の妻・田上尚子(本木幸世)とも同じジムで出会い、糖尿病であることを知ったうえで結婚していた。浦野がネットの人生相談で「先生」と呼ぶ人物と出会い、人生が逆転すると語っていたことから、天音は貴羽の関与を疑う。
○狂い始める運命
浦野の妻の連続不審死は週刊誌に報道され、カフェにはマスコミが押しかける。凛は千尋の身を案じて結婚延期を勧めるが、千尋は浦野を信じて聞き入れない。そんななか凛は浦野が元恋人・岡田裕美とキスしている場面を目撃し、ショックを受ける。深山俊雄(小手伸也)は佳菜子との旅行写真から、心臓発作を引き起こす毒を持つ植物セラビアジャスミンに注目する。一方、浦野は記者会見で千尋との婚約と新たな1億円の保険加入を公表する。その場に裕美が現れ、浦野を刺す事件が発生するが、浦野は婚約者を守った英雄として世間の注目を集めることになる。
○最悪の真相
実は浦野は保険金殺人を利用し、注目を集めて芸能界での成功を狙っていた。自らマスコミを呼び込み、刺される事件まで演出して“英雄”として世間の関心を集めたのだ。だがその後、浦野は心臓発作で突然死亡する。調査の結果、浦野のコンテナからセラビアジャスミンが見つかり、遺体からは“白い羽根”も発見される。天音は千尋が浦野を殺害した可能性に気づく。母の治療費のため借金を抱え、貴羽に唆された千尋が犯行に及んだのだった。凛は親友の逮捕という現実に打ちのめされる。そしてその直後、氷室貴羽が凛の前に姿を現すのだった。
見どころ
○凛を襲う残酷な運命
本話最大の見どころは、凛の親友が事件の中心人物となる衝撃的な展開である。親友の幸せを祝福していた凛が、やがてその婚約者の疑惑を追う立場に立たされる構図は非常にドラマチックだ。さらに最終的に千尋が殺人犯として逮捕される展開は、凛にとってあまりにも残酷であり、視聴者にも強い衝撃を与える。事件を通して凛の感情が大きく揺れ動く姿が丁寧に描かれている点が印象的である。
○保険金殺人と“人生逆転”の狂気
浦野の動機は金だけではなく、世間の注目を集めてスターになるという歪んだ欲望だった。保険金殺人とマスコミ戦略を組み合わせて“人生逆転”を狙うという発想は非常に異様であり、本作のサスペンス性を強く際立たせている。さらに刺傷事件まで自作自演に近い形で利用し、英雄として世間の同情を集める展開は現代のメディア社会を皮肉る要素も含んでいる。
○氷室貴羽という黒幕の存在
今回の事件でも氷室貴羽の影が色濃く漂っている。保険金殺人を裏で操る存在としての不気味さは健在であり、“白い羽根”という象徴的な痕跡が事件の背後に彼女がいることを示唆する。さらに物語のラストでは、ついに貴羽が凛の前に姿を現す。これまで天音と対峙してきた彼女が、凛に接触するという展開は、物語が次の大きな局面へ進むことを予感させる重要な場面である。
感想
これまで調査員として数々の事件に向き合ってきた凛だったが、今回は親友が関わっているだけに冷静ではいられない。
最初は浦野の悪意が事件の中心にあるように見えながら、最終的には千尋が犯罪に手を染めていたことが明らかになる展開は凛にとって残酷だ。次回以降に引きずらなければよいのだがと感じた。
浦野の異常性もなかなかだ。保険金殺人とマスコミを使って有名になるという欲望は歪んでいる。それと同時に殺傷事件を利用して世間から英雄視される様は、現代の注目されることを良しとする風潮を皮肉っているようにも思えた。
千尋については母の難病の治療費のため多額の借金を抱えており、貴羽に利用されてしまう姿は悲劇的だった。逮捕された千尋はなお母のことを思い続けていて、後味の悪さしか残らなかった。
それを経てのラストで貴羽が凛の前に現れる場面は、不気味さと緊張感が漂った。そして千尋の件があっただけに視聴者が貴羽に憎悪の感情が注がれた上で次回へというのは十分な展開だった。
