第9話 総理の娘を誘拐した犯人とは
キャスト
二宮奈美 … 沢口靖子
佐生新次郎 … 安田顕
山内徹 … 横山裕
清水紗枝 … 黒島結菜
南方睦郎 … 一ノ瀬颯
田辺智代 … 馬場園梓
掛川啓 … 金田哲
早見浩 … 松角洋平
桐谷カナ … 白本彩奈
桐谷杏子 … 板谷由夏
あらすじ
○沈黙を破る脅迫電話
総理・桐谷杏子(板谷由夏)の娘・カナ(白本彩奈)を誘拐した犯人は、1週間の沈黙の末、拘束写真と電話で再び接触してくる。電話口に現れたのはカナ本人で、犯人は「指示に従え」と杏子を脅迫。要求は、過去に杏子が活動停止に追い込んだ団体について不当な処分だったと認め、謝罪することだった。国家の信念と娘の命を天秤にかけられた杏子は、即座に要求を拒絶するが、追い詰められていく。
○信念が招いた代償
犯人の正体を探る中で浮上したのは、杏子がかつて解散に追い込んだ新興宗教「秘天教」。高額献金や詐欺行為を行っていたこの団体は、解散後も残党が地下活動を続けていた。記者時代から宗教被害を取材し、政治家としても問題解決に尽力してきた杏子は、自らの正義が娘を危険にさらしたのではないかと深く苦悩する。奈美(沢口靖子)は「あなたの判断は間違っていない」と寄り添う。
○空振りに終わる宗教捜査
公安も注視していた秘天教残党の拠点に家宅捜索が入るが、サイバー攻撃との直接的な関与は見つからず捜査は空振りに終わる。その直後、関東一円で再び大規模通信障害が発生。以前と同じ企業が標的となり、手口もH-WKN159と酷似していた。緊急会見に追い込まれる杏子は、犯人の思惑通り世論の矢面に立たされていく。
○通信障害とSE連続殺害の接点
通信障害と同時期に、SEの国見和人(細渕敬史)が殺害される事件が発生。過去のSE殺害と同じ手口から、逃走中の野村翔(北代高士)の関与が疑われる。調査の結果、国見がシステム内にバックドアを仕掛けていた事実が判明。セキュリティを突破した原因は内部犯行だった。国見は口封じのために殺された可能性が高まり、事件は新たな局面へ進む。
○逃げる犯人、追う真実
匿名アプリのGPS機能を使い、野村の潜伏先を突き止めるDICT。しかし突入は一歩遅く、野村は久慈幹二(池内万作)の手引きで逃亡していた。直後、犯人からビデオ通話が届き、衰弱したカナの姿が映し出される。一方、奈美は佐生(安田顕)がカナの出国情報を意図的に伏せていた事実を知り、国家を優先する冷酷な思惑に怒りを覚える。奈美は、必ず娘を救い、すべての黒幕を暴くと決意する。
見どころ
○母として、総理としての決断
娘の命と国家の信念を同時に突きつけられる杏子の葛藤は、本作屈指の重いテーマ。政治家としての正義が、母としての後悔へと変わる心理描写が胸を打つ。
○情報犯罪と殺人の接点
通信障害、SE殺害、バックドアという要素が一本につながり、情報犯罪が現実の殺人へ直結する恐怖が鮮明に描かれる。DICTの捜査力が試される展開。
○佐生の底知れない存在感
国家のためなら非情な判断も厭わない佐生の言動が、物語の緊張感を一気に高める。奈美との対立構造が最終章への大きな火種となる。
感想
ついに犯人から総理へ謝罪をしろという要求を突きつけられる。政治家として守ってきた正義と母として娘を思う気持ちで揺れ続ける姿は痛々しい。総理としての強さと母としての弱さの対比が描かれていて緊張と共感を残していた。
一方で通信障害とSE連続殺害が結びつき一瞬沸き立つものの、犯人に翻弄され続け野村を取り逃がしてしまう展開にはDICTとともにやるせない気持ちになった。
また、佐生の「国家のためなら総理を追い詰めることもあり得る」という非情の言葉は、今後、奈美と対立する予感しかない。それでも奈美が決意を新たにするラストにカナ救出と犯人逮捕、そして事件の解明への期待が持てそうだ。

