プロフェッショナル 保険調査員・天音蓮⑦

REVIEW

第7話 離婚保険を調査せよ!金メダリスト夫婦が突然の離婚!?

キャスト

天音蓮 … 玉木宏
栗田凛 … 岡崎紗絵
深山俊雄 … 小手伸也
沢木孝雄 … 野間口徹
佐久間凌 … 渡部篤郎
野島聡介 … 片岡久道
濱名沙月 … 結城モエ
山田ビンゴ … 伊藤俊介(オズワルド)
氷室貴羽 … 長谷川京子

あらすじ

〇おしどり夫婦に訪れた離婚危機
 天音蓮(玉木宏)と栗田凛(岡崎紗絵)がテレビで見ていたのは、卓球金メダリスト・大河内萌子(堀田茜)と献身的な夫・広也(髙地優吾)の特集番組だった。だがその直後、オリエント保険の沢木孝雄(野間口徹)が持ち込んだのは、広也からの「離婚保険」申請である。国民的おしどり夫婦の突然の離婚話に凛は衝撃を受ける。天音は“離婚のスペシャリスト”深山俊雄(小手伸也)を伴い、真相解明に乗り出すのだった。

〇突然の離婚宣言の裏側
 広也は、萌子から1週間前に突然離婚を切り出されたと語る。十分な収入がありながら保険を解約しなかった理由は、“スターの夫”という肩書を失う不安に備えていたためだった。天音は、違約金を払ってまで離婚を急ぐ萌子に疑念を抱き、所属先を訪問。混合ダブルスの相棒・久保茂樹(嘉島陸)との熱愛疑惑も浮上し、夫婦双方の不倫の可能性が取り沙汰される。

〇消えたみつ葉と父の想い
 一方、深山の元妻・江本しずく(原ふき子)の出張中、娘のみつ葉(鈴木誉)を預かることになった深山。しかし凛が目を離した隙にみつ葉が失踪。偶然遭遇した佐久間凌(渡部篤郎)の助言でゲームセンターに向かい、無事に発見する。仕事に追われる父への寂しさを抱えるみつ葉の本音が明かされ、深山は父としての在り方を見つめ直す。

〇潜入捜査で見えた真実
 萌子と久保の不倫を疑う深山だが、真相は別にあった。凛と天音は結婚式場に潜入し、卓球部マネジャー・華村風香(高田夏帆)の結婚相手を探る。そこで浮かび上がったのは、風香の相手が広也ではなく萌子であるという事実。学生時代から交際していた2人は、風香の母の認知症が進行する前に花嫁姿を見せたいと結婚を急いでいたのだ。

〇愛と保険の境界線
 萌子の想いを以前から知っていた広也は、不安を抱えつつも結婚生活を続けてきたと告白。保険加入時点で離婚の可能性を想定していたため、保険適用は不可となる。しかし2人はCM契約満了まで夫婦を続ける決断をする。深山もまた、みつ葉に父としての愛情を伝え、親子の時間を大切にすると誓う。離婚を巡る調査は、それぞれの家族の形を浮き彫りにしたのである。

見どころ

〇離婚保険という現代的テーマ
 離婚保険というユニークな制度を軸に、結婚の不安や社会的イメージを描いた回。結婚が祝福と同時にリスク管理の対象にもなる現代性を鋭く切り取り、保険ドラマならではの視点が光る。単なる夫婦の破綻劇ではなく、契約と感情のズレを描いた構成が秀逸である。

〇多様な愛のかたち
 萌子と風香の関係は、偏見なく自然に描かれ、物語の核心となる。誰かの幸せを守るための離婚という選択が、単なる不倫疑惑を超えた人間ドラマへと昇華している。

〇深山親子の成長ドラマ
 事件と並行して描かれた深山とみつ葉の関係は、本話のもう一つの軸である。仕事優先の父と寂しさを抱える娘という構図は普遍的であり、みつ葉の本音が胸を打つ。最後に父としての思いを言葉にする深山の姿は、これまでの軽妙なキャラクター像に新たな深みを与えている。

感想

 結婚と離婚という身近なテーマに焦点を当てた人間ドラマ色の強い回だった。結婚と同時に離婚を想定する保険制度を軸に、愛情だけではなく社会的契約でもある現実を浮き彫りにしている点が興味深い。

 萌子と風香の関係が明らかになる展開は衝撃的で、多様性が織りなす愛の形を描いていた。同性同士であるためマイルドな印象にはなった。だが、よくよく考えれば少なくとも離婚前から萌子は風香と結婚式の日取り前で決めている点で広也の心情としてはとしてはキツイ。

 結婚を早めた理由は風香の母の認知症が進行する前に花嫁姿を見せたかったからだ。しかし、最後はCM契約満了まで夫婦を続ける決断をする広也と萌子。広也の献身と不安、理解と葛藤を知ってというのが根底にあってのことだろう。

 ただ、ここまできて夫婦関係を伸ばす意味もよくわからない。結局は保険適用が不可だから?CM契約の違約金が発生するから?逆に変なモヤモヤ感が残ってしまった。

 一方で深山とみつ葉の親子関係も描かれ、単なる保険調査に終わらない物語なのもよかった。愛情を込めたハヤシライスが温かな余韻を残し、家族の再生というテーマを重ねる描き方はうまいと感じた。