第1話 ヤンキードクター参上!
キャスト
田上湖音波 … 橋本環奈
中田啓介 … 向井理
鈴木颯良 … 宮世琉弥
大友真一 … 音尾琢真
高野ひかり … 馬場徹
松本佳世 … 薄幸(納言)
ソン・リーハン … 許豊凡(INI)
城島麗奈 … 内田理央
鷹山勲 … 大谷亮平
大河原嗣子 … 大塚寧々
田上潮五郎 … 吉田鋼太郎
あらすじ
○ヤンキー医師、降臨
都立お台場湾岸医療センターに現れた田上湖音波(橋本環奈)は、アイドルのような見た目とは裏腹に、型破りな言動で院内をざわつかせる存在である。脳神経外科を訪れた湖音波は、看護師長の高野ひかり(馬場徹)や看護師の鈴木颯良(宮世琉弥)の制止を振り切り、医局に乱入。そこでは脳神経外科医・大友真一(音尾琢真)と循環器内科医・村井孝志(濱津隆之)が、救急患者の受け入れを巡って責任を押し付け合っていた。湖音波は岐阜弁で二人を一喝し、医師としての覚悟を突きつける。その正体は、脳神経外科部長・中田啓介(向井理)が岐阜から招いた、カテーテル手術専門の脳外科医だった。
○13年ぶりの再会と違和感
湖音波は、中田から緊急患者のカテーテル手術を任され、周囲の不安をよそに冷静沈着な手技で成功させる。湖音波と中田は13年ぶりの再会であり、湖音波は恩師との再会を心から喜ぶ。しかし中田は、かつて命を最優先にしていた医師の面影を見せず、どこか距離を取るような態度を取る。手術後、湖音波は患者・石塚哲也(もりたかお)とその家族に向き合おうとするが、病院の「回診は5分まで」という規則に阻まれる。患者に寄り添う医療と、効率を重視する病院方針との間で、湖音波は早くも違和感を覚え始める。
○規則より命を選ぶ
湖音波は、療養が必要と判断した石塚の早期退院を認めた中田に強く反発する。石塚の家庭事情を知った湖音波は、無理な退院が命を縮める危険を孕んでいると考えたのだ。しかし病院は稼働率重視の方針を掲げ、退院可能な患者は事情を問わず退院させる体制を敷いていた。湖音波は循環器内科へ直接乗り込み、軽度の不整脈を理由に検査入院を提案し、石塚の退院延期を実現させる。この行動は患者を救う一方で、組織の論理を乱す危険な賭けでもあった。
○救えなかった命、救われた命
交通事故で重体となった女子高生・岡崎加奈(今井夢華)が搬送される。大友は蘇生困難と判断するが、湖音波は「可能性がある限りあきらめない」と手術を主張する。許可を得た湖音波は、救急現場で頭部穿孔という危険な処置を敢行し、加奈の脳幹反射を回復させる。その最中、湖音波の脳裏には13年前、親友・堀田真理愛(平祐奈)を事故で失った記憶がよみがえる。自らは中田の決断によって救われたが、真理愛は救えなかった。その現実が、湖音波の医師としての原点であった。
○この病院で闘う覚悟
加奈の手術中、予期せぬ大量出血が発生する。湖音波は動揺するが、中田が規則を無視してサポートに入り、二人は命を救い切る。中田が今も医師としての信念を失っていないと知った湖音波は、彼のもとで一人前の医師になる決意を新たにする。効率と利益重視の病院を「クソみたい」と吐き捨てながらも、そこで闘うことを選ぶ湖音波。そんな中、病院を牛耳る事務局長・鷹山勲(大谷亮平)は、湖音波を「使える存在」と評価し、中田と不穏な思惑を交わしていた。
見どころ
○破天荒ヒロインの説得力
田上湖音波は、ヤンキー気質と高度な医療技術を併せ持つ異色の主人公である。その言動は荒々しいが、患者の命に対する姿勢は誰よりも真っ直ぐだ。岐阜弁で医師たちを一喝する姿は痛快でありながら、医療現場が抱える本質的な問題を鋭く突いている。単なる型破りキャラではなく、「なぜこの人物が医師になったのか」という背景が丁寧に描かれることで、湖音波の行動に強い説得力が生まれている点が見どころだ。
○医療と組織のリアルな衝突
命を最優先にする医師の理想と、病院経営という現実の対立を真正面から描く。中田が変わってしまったように見えた理由、鷹山が推し進める効率主義など、医療ドラマとして現代的なテーマが色濃い。正しさだけでは通らない現場で、何を守るべきなのか。その葛藤が初回から濃密に提示され、物語への没入感を高めている。
○師弟関係に宿るドラマ性
湖音波と中田の関係は、単なる上司と部下ではなく、命を救われた者と救った者という深い因縁に支えられている。13年前の事故と選択が、現在の二人の在り方を縛り続けている構図が切ない。対立しながらも、最終的に同じ手術台に立つ姿は、本作の核となる師弟ドラマを強く印象づける。医療技術だけでなく、信念をどう受け継ぐかという点も大きな見どころである。
感想
元ヤンキーの脳神経外科医という異質なキャラクターだけにコメディーかと思いきや現代医療が抱える歪みを鮮明に描いていた。
岐阜弁で医師たちを一喝する場面はとても痛快だった。そして、それは病院の規則や稼働率を優先する体制に疑問を投げかけるとともに医療組織への鋭い批判をとしているのも良かった。
救急搬送されてくる女子高生の緊急手術では、湖音波の過去、中田との関係が明らかになり、医師として立ち続ける理由が明確になる。
一方で中田は病院という組織の中で、かつての理想を失い苦悩しているようにも見える。強烈なキャラクターの湖音波が加わったことで組織に変化を起こせるのではないかという期待を抱かせる初回だった。
