絶対零度~情報犯罪緊急捜査~⑤

REVIEW

第5話 二宮奈美、拉致られる!?

キャスト

二宮奈美 … 沢口靖子
佐生新次郎 … 安田顕
山内徹 … 横山裕
清水紗枝 … 黒島結菜
南方睦郎 … 一ノ瀬颯
田辺智代 … 馬場園梓
掛川啓 … 金田哲
早見浩 … 松角洋平
桐谷カナ … 白本彩奈
桐谷杏子 … 板谷由夏

あらすじ

11年前の記憶
 11年前、都議会議員だった 桐谷杏子(板谷由夏)が街頭演説中に刃物を持った男に襲われかけるが街頭遊説中にナイフを持った男に襲われそうになるが、警備にあたっていた刑事・二宮奈美(沢口靖子)が男を取り押さえ、杏子を救う。この出来事で二人の人生が交錯するきっかけが生まれた。

停電と謎の拉致
 現在。都内一部で早朝に一斉停電が発生し、発電所へのサイバー攻撃の可能性が浮上。そんな中、DICの会議中に奈美が突然不在となる。直後、SNS上に「奈美を拉致した」との犯行声明と拘束写真が投稿され、DICTは機能不全の危機に直面する。

地下室の監禁
 奈美は謎の男(和田聰宏)に拉致され、地下室に監禁される。犯人は素顔を見せても名乗らず、「ずっと見ていた」とだけ告げてアメを差し出す。防犯カメラは停電で途切れ、連絡手段も断たれ、DICTは手がかりを失う中、奈美は冷静さを保ちながら脱出への糸口を模索する。

○情報戦の裏
 停電、SNSでの拡散。犯人は情報そのものを武器に、DICTのインフラと信用を破壊する。監視網が機能しない中で、捜査員たちは手探りで奈美の行方を追う。情報犯罪対策というテーマを体現するような、デジタル、アナログ両面での綱渡りが続く。

○奈美の覚醒と救出
 追い詰められた奈美は、犯人とのやりとり、地下室の環境、彼の言葉の端々から手がかりを読み取り、うまく誘導して外へ出る。そしてDICTの捜査班が追い詰め、奈美は無事救出される。拉致監禁という極限状況の中で、人の観察力と冷静な判断力が鍵を握った

見どころ

○情報犯罪×リアル犯罪の融合
 これまでは金融詐欺やマネーロンダリングなど「情報犯罪」が中心だったが、第5話ではサイバー攻撃による停電、そして防犯カメラの無効化と、実際の拉致監禁という「リアル犯罪」が結びつき、情報暴力のハイブリッド犯罪の怖さを鮮烈に描いた。情報技術が発展した社会でこそ成立しうる恐怖構造が、リアルに感じられる。

○主人公・奈美の覚悟と脆さ
 拉致監禁され、身動き一つできない奈美の姿は、これまでの強く頼れる刑事とは違う、弱さと恐怖を抱えた人間そのもの。情報犯罪の理詰めだけでは救えない人間の脆さ、人間性との対峙がドラマに重みを与え、観る者に深い共感と緊張を残す。

○見えない敵との戦い
 誰が、どこで、何をしているかも分からない。そんな顔の見えない敵に対して、DICTはただ数字やデータだけで挑む。停電でシステムが無力化され、防犯カメラも機能停止。情報が何よりも武器になる中で、正義と安全を守るために何ができるのか。情報社会に投げかけられた問いが重く深い。

感想

 緊張感の強い回だった。奈美が突然姿を消し、DICT全体が混乱に陥る展開は、情報犯罪というテーマの脆さと恐怖を象徴していた。

 停電による防犯カメラの停止、SNSによる情報拡散など、犯人が情報を使って揺さぶる手口は現代的でリアルだった。

 地下室で監禁された奈美だったが、恐怖に押しつぶされることなく状況を観察し、少ない情報から突破口を見つけ出す姿は、彼女の刑事としての本質的な強さを感じさせた。

 また沢口靖子の演技が、その緊迫感をさらに引き立てていたと思う。

 その奈美を救出に奔走するDICTメンバーの姿は仲間としての温かさを感じられた。

 その一方で、総理の娘の動きも気になる。これまでの様子だと母との不和なのか?反抗期なのか?、SNSで言葉巧みに誘われて家出をしたのだろうが、何らかの組織に拉致され犯罪の片棒を担がされそうな予感がする。