第3話 ヤンキー娘が医者になれた 3つの理由とは?
キャスト
田上湖音波 … 橋本環奈
中田啓介 … 向井理
鈴木颯良 … 宮世琉弥
大友真一 … 音尾琢真
高野ひかり … 馬場徹
松本佳世 … 薄幸(納言)
ソン・リーハン … 許豊凡(INI)
城島麗奈 … 内田理央
鷹山勲 … 大谷亮平
大河原嗣子 … 大塚寧々
田上潮五郎 … 吉田鋼太郎
あらすじ
〇拡散された過去
田上湖音波(橋本環奈)が後輩・沖田竜司(小林虎之介)を一喝する動画がSNSで拡散され、都立お台場湾岸医療センター上層部は騒然となる。事務局長・鷹山勲(大谷亮平)は湖音波の過去を調べ上げ、院長・大河原嗣子(大塚寧々)に“とんでもない不良”だった経歴を報告する。脳神経外科部長・中田啓介(向井理)は場をなだめるが、病院内では湖音波への不信が広がり、看護師たちも距離を置き始める。湖音波は、医師としてではなく過去の肩書で裁かれる現実に直面するのである。
〇夢を守る覚醒下手術
湖音波が担当するのは、びまん性星細胞腫を患う杉浦優斗(森永悠希)である。腫瘍は言語野に近く、摘出は極めて難しい。弁護士を目指す優斗は、知識や言語能力を失わずに手術を受けたいと願う。湖音波は夢を守るため、手術中に覚醒させて機能を確認する覚醒下手術を提案する。だが同僚の大友真一(音尾琢真)は難度の高さを理由に反対。湖音波は、患者の未来まで背負う覚悟で術式を選択するのである。
〇嫉妬とデマ
看護師の鈴木颯良(宮世琉弥)らが湖音波を恐れるようになった背景には、大友の流したデマがあった。湖音波が暴力的だという噂が広まり、父・潮五郎(吉田鋼太郎)も心配する。優斗の父・晃は動画を見て執刀拒否を申し出、手術は大友が担当することに。侮辱に耐えきれず激怒する湖音波だが、城島麗奈(内田理央)が大友に湖音波の努力を語り、事態は少しずつ変化する。対立の裏には、それぞれの劣等感と焦りがあった。
〇弁護士を目指す理由
優斗はなぜ弁護士になりたいのか。その理由は、かつて両親が詐欺被害に遭い、泣き寝入りするしかなかった過去にあった。家族を守れなかった悔しさが、夢の原点である。大友もまた、裕福ではない家庭を支えるために5浪して医学部に入った過去を語る。湖音波は自らが医師になるため守った「努力、根性、気合」を優斗に伝える。三者三様の覚悟が交錯し、手術へ向けて心が一つになっていく。
〇協力と、変わらぬ火花
手術当日、大友が執刀し湖音波がサポートにつく。覚醒下で言語機能を確認しながら腫瘍を慎重に摘出。危険な局面で湖音波が優斗を励まし、手術は成功する。優斗は再び司法試験へ挑む決意を固め、家族も支えると誓う。晃は湖音波に謝罪し、大友も彼女の支えを認める。しかし後日、大友は手柄を誇張して語り、湖音波は「ダサい」と一蹴。和解しかけた二人の関係は、結局バチバチのままである。
見どころ
〇偏見と向き合うヒロイン
過去のヤンキー歴や拡散動画によって評価が揺らぐ構図は、現代社会のSNS問題を反映している。湖音波は肩書や噂ではなく、医師としての実力で信頼を勝ち取ろうとする。その姿勢が、表面的なイメージに左右される社会への痛烈なメッセージとなっている。
〇覚醒下手術の緊迫感
言語野近傍の腫瘍摘出という高難度手術を、覚醒下で描く演出は圧巻である。患者が意識を保ちながら応答する緊張感が、医療のリアルとドラマ性を同時に高める。湖音波と大友の連携も見どころである。
〇不器用なライバル関係
嫉妬と劣等感をむき出しにする大友と、真っ直ぐすぎる湖音波。衝突しながらも互いの実力を認め合う関係性は、本作のもう一つの軸である。完全な和解に至らないリアルさが物語を面白くしている
感想
湖音波に対する偏見と大友の劣等感を軸に描かれた第3話だった。SNSによる炎上で湖音波の信頼が揺らぐ。実力だけでは通用しないというシビアさは他人の命を預かる医療現場ではなおさだ。
湖音波が掲げる「努力、根性、気合」、古風で昭和時代かとつっこみたくなるが、本人が体現してきた信念だけに重みがある。
そして、覚醒下手術のシーン。患者と会話しながら脳を操作するという高度医療がリアル。さらに彼女の3つの言葉が単なる精神論ではなく医学的判断と結びつく演出が良かった。ドラマとしての熱さと医療ドラマとしての説得力を両立させているのは素晴らしい。
一方で大友も湖音波と互いに過去や劣等感を抱えながら医師になった者同士であることが明かされ、対立の裏にある共通点が浮かび上がる。優斗の夢を守るために共闘する展開は熱かった。
ただ、完全な和解ではなく、最後に再び火花を散らす終わり方もこのドラマらしい。大友も単なる嫌味な医者ではなく、人間くさいところが憎めない。
