第1話 “最強”保険調査員!超高額HRボールを取り戻せ!
キャスト
天音蓮 … 玉木宏
栗田凛 … 岡崎紗絵
深山俊雄 … 小手伸也
沢木孝雄 … 野間口徹
佐久間凌 … 渡部篤郎
野島聡介 … 片岡久道
濱名沙月 … 結城モエ
山田ビンゴ … 伊藤俊介(オズワルド)
氷室貴羽 … 長谷川京子
あらすじ
○500万ドルの記念球と始まりの事件
MLB本塁打記録を更新した日本人選手・鷹山直斗(保田賢也)の記念ボールが、葛西総合病院院長・葛西芳樹(要潤)によって500万ドルで落札された直後、帰国した芳樹は覆面の4人組に襲撃され、ボールを奪われる。警視庁は国際窃盗団イエローパンサーの犯行と断定するが、その裏で記念ボールには高額な保険がかけられており、保険会社は支払い回避のため独自調査を開始する。事件は警察とは別の論理で動き始めるのである。
○正論でクビ、運命で再会
一方、リサーチ会社勤務の栗田凛(岡崎紗絵)は、調査データ改ざんを拒んだことで会社を解雇される。その夜、やけ酒をあおる凛は、軽薄そうな男・天音蓮(玉木宏)と出会うが、最悪の印象のまま酔いつぶれてしまう。翌朝目覚めた場所は、外資系保険案件を専門とする調査会社「深山リサーチ」。天音こそが、凄腕の保険調査員だった。偶然の出会いは、凛を事件の渦中へと引きずり込む入口となる。
○疑う男、疑われる真実
保険会社の依頼で調査を始めた天音は、警察が断定するイエローパンサー犯行説に早くも疑問を抱く。美術品専門の窃盗団が野球ボールを狙う不自然さ、そして芳樹の供述の曖昧さ。天音は即座に嘘を見抜き、SNSから愛人の存在を突き止める。凛をクラブに潜入させ、ホステス・水島香織(森香澄)に接触することで、事件は内部犯行の様相を帯び始めるのである。
○父と子、そして病棟の事情
調査の末に浮かび上がった犯人は、タクシー運転手・田神悠人(近藤公園)。彼の動機は、闘病中の息子・相葉温人(岩川晴)の存在にあった。さらに背後では、葛西病院の医師・祐二(風間俊介)が緩和ケア病棟存続のため、田神に協力していたことが判明する。金と命、正義と情の間で交錯する思惑は、単なる窃盗事件を超えた人間ドラマへと姿を変えていく。
○仕事としての正義
最終的に田神と闇ブローカー・富樫一郎(くっきー!・野生爆弾)は逮捕され、記念ボールは無事回収される。だが、凛は緩和ケア病棟や温人の問題が置き去りにされた現実に納得できない。天音は「これが俺たちの仕事だ」と言い切るが、その裏で芳樹を説得し、病棟存続へと導いていた。冷酷に見えるプロフェッショナルの信念と矜持が、静かに示された結末である。
見どころ
○警察と保険、二つの正義の対立
最大の特徴は、警察ドラマではなく保険調査という視点から事件を描く点にある。犯人逮捕を最優先する警察と、損失回避を目的とする保険会社。その間で独自の論理を貫く天音の立ち位置が、従来の刑事ドラマとは異なる緊張感を生み出している。
○天音蓮という男の危うさ
軽薄なナンパ男に見えて、嘘を瞬時に見抜き、感情を排した判断を下す天音。その冷静さと裏で見せる人間的な配慮の落差が、キャラクターに深みを与えている。正義感ではなく“仕事”として真実を追う姿勢が、物語全体の芯となっている点は見逃せない。
○バディ誕生の物語
正論を貫いて職を失った凛と、感情を切り捨てる天音。価値観の異なる二人が、同じ現場に立つことで少しずつ噛み合っていく過程が丁寧に描かれる。第1話は事件解決だけでなく、この異色バディの出発点としても完成度の高い導入回である。
感想
保険調査という珍しい切り口で描かれるドラマ。初回は記念の野球ボール強奪事件。警察が犯人逮捕を最優先する一方、天音は「保険金を支払わない」ために真実を追う。そのスタンスは冷酷に感じるが、結果として次の犯罪を防ぐという正義へとつながっていく点は面白い。
また、栗田凛という存在が物語にいいアクセントになっている。正論で職を失い、それでも納得できないことに声を上げ続ける姿は、視聴者の感情を代弁する役割になっている。
一方で天音は感情を切り捨てながらも、水面下では緩和ケア病棟存続へと導く。冷酷さを持ち合わせながらも人間的な優しさも持っている。その落差がよい。


