第10話 追い込まれる桐谷総理
キャスト
二宮奈美 … 沢口靖子
佐生新次郎 … 安田顕
山内徹 … 横山裕
清水紗枝 … 黒島結菜
南方睦郎 … 一ノ瀬颯
田辺智代 … 馬場園梓
掛川啓 … 金田哲
早見浩 … 松角洋平
桐谷カナ … 白本彩奈
桐谷杏子 … 板谷由夏
あらすじ
○拡散される極秘事項
拘束されたカナ(白本彩奈)の動画がSNSに流出し、極秘だった誘拐事件は世界中に知れ渡ってしまう。犯人を名乗るアカウントが乱立し、警察には真偽不明の情報が殺到。捜査は混乱し、杏子(板谷由夏)への世論の批判も一気に高まる。情報犯罪が社会を飲み込んでいく恐ろしさと、デジタル時代の制御不能な拡散力が強調される導入となった。
○母と総理、その狭間で
佐生(安田顕)の進言で会見を開いた杏子は、娘を危険にさらした責任は自分にあると認める。しかし、追い詰められた杏子は官邸を抜け出し、犯人に指定された廃ビルへ向かってしまう。奈美(沢口靖子)は彼女を追うが、杏子は母としての感情を優先し、奈美の警護を拒絶。信頼の亀裂が痛々しく描かれる。
○迫る予告、止められるかサイバー攻撃
19時にサイバー攻撃を行うという予告が公開され、日本中が緊張に包まれる。標的は不明だが、過去の事件と同様にバックドアが使われる可能性が浮上。行方不明だったSE森宮(岩戸秀年)が野村(北代高士)に捕らえられていることが判明し、山内(横山裕)と掛川(金田哲)が突入、間一髪で確保に成功する。
○10分間の攻防と守られた日常
森宮の供述により、電力会社のシステムにバックドアが仕込まれていることが判明。清水(黒島結菜)は残り10分という極限状態でプログラムの上書きに挑み、攻撃を阻止することに成功する。チームの連携と清水の技術力が光り、奈美も再び自分の役割を見つめ直す。
○辞任否定と新たな決意
杏子は会見で辞任を否定し、犯人との交渉打ち切りを宣言。沢北(樋口幸平)の確保により、久慈(池内万作)がH-WKN159の黒幕である可能性が濃厚となる。さらにカナの居場所が国外、それも独裁国家レンガラに近い地域だと判明。困難な状況の中、奈美は必ず救うと決意を新たにする。
見どころ
○SNSという凶器
誘拐という重大犯罪が、SNSによって一瞬で世界に晒され、善意と悪意が混在した情報が暴走していく描写は非常に現代的。犯人だけでなく、拡散する側もまた事件を歪める加害者になり得るという恐ろしさが強く印象づけられる。情報犯罪ドラマとして、本作の核心を突くテーマが鮮明になった回。
○母と総理の間で壊れていく杏子
娘を救いたい一心で警護を振り切り、犯人の言いなりになる杏子の姿は痛々しい。正義と責任を背負ってきた政治家が、母として弱さをさらけ出すことで、人間味と同時に危うさが際立つ。板谷由夏の抑えた演技が、崩壊寸前の心理をリアルに伝える名場面となっている。
○杏子の覚悟と奈美の再出発
母として揺れながらも、総理として立ち上がる杏子。その姿に応えるように、奈美も再び前を向く。最終章へ向けた精神的な転換点。
感想
SNSに流出した動画によって、極秘だった誘拐事件が一気に公に。一旦ネット上に流出すると止められない拡散力は恐怖でしかない。しかも真実だろうが虚偽だろうが関係ない。
母と総理の間で揺れごく杏子の心情が印象的だった。国家を守る立場の総理であっても、その前に母親であり、なかなか感情からは逃れられない。ただ、総理が勝手に一人で外出して犯人と接触しようとする様は非現実にも思える。
それはともかく、辞任を否定し国民と娘を守ると宣言した会見は、追い詰められた末にたどり着いた覚悟の表れで、犯人との対決に期待が深まる。
また、清水が残り10分でサイバー攻撃を阻止する場面では静かな緊張感が漂い、DICTのチームとしての存在意義が再確認された。
ラストは久慈との対決、さらにはカナが囚われていると思われる場所が軍事独裁政権という壁が立ちはだかる。期待と不安が入り混じりつつもどういう結末を迎えるのか楽しみだ。


