もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう④

REVIEW

第4話 初日前夜

キャスト

久部三成 … 菅田将暉
倖田リカ … 二階堂ふみ
蓬莱省吾 … 神木隆之介
江頭樹里 … 浜辺美波
風呂須太郎 … 小林薫
トニー安藤 … 市原隼人
大瀬六郎 … 戸塚純貴
パトラ鈴木 … アンミカ
毛脛モネ … 秋元才加
朝雄 … 佐藤大空
おばば … 菊地凛子
江頭論平 … 坂東彌十郎
うる爺 … 井上順
伴工作 … 野間口徹
ジェシー才賀 … シルビア・グラブ
乱士郎 … 佳久創
浅野大門 … 野添義弘
浅野フレ … 長野里美
トンちゃん … 富田望生
黒崎 … 小澤雄太
彗星フォルモン … 西村瑞樹(バイきんぐ)
王子はるお … 大水洋介(ラバーガール)
仮歯 … ひょうろく
毛利里奈 … 福井夏
ケントちゃん … 松田慎也
いざなぎダンカン … 小池栄子

あらすじ

○逆さの愚者と揺れる心
 初日を目前に不安を抱える久部(菅田将暉)は、おばば(菊地凛子)から「甘さで足元をすくわれ、甘さで救われる」という示唆を受ける。逆位置の「愚者」カードは、無謀さと未熟さを象徴。久部は自信と焦りの狭間で揺れ、天上天下の順調な公演を見て、ますます対抗心を強めていく。

才能と本音がぶつかる午後
 小学1年生・朝雄(佐藤大空)の絵を絶賛した久部は、その絵を街中に貼ると決定。だが家庭訪問で担任が「家族の絵」を掲示しなかった理由を語り、モネ(秋元才加)の怒りが爆発。芝居に人生を懸けるというモネの静かな決意に触れ、久部は彼女の覚悟を真正面から受け止める。

準備不足と熱血指導のすれ違い
 稽古時間が合わず、ゲネプロまで全員揃わない状況に焦る久部。リカ(二階堂ふみ)と自主稽古を試みるも、久部の熱血指導は空回りし、リカは冷め気味に。さらにパーライトの調達にも失敗し、劇場スタッフも混乱。久部の焦りは、復讐心とプレッシャーで限界に近づいていく。

盗まれた灯りと揺らぐ復讐心
 蓬莱(神木隆之介)が書いたラストの言葉に納得できない久部は、公演は失敗すると弱音を漏らす。天上天下への対抗心に駆られ、ついに蓬莱、伴(野間口徹)、トニー(市原隼人)と共に小劇場へ向かい、許可がないままパーライトを1灯拝借。後ろめたさと復讐心が入り混じる中、初日へと向かう。

○止まらない演技、動き始める劇場
 ゲネプロ中、黒崎(小澤雄太)が怒りの来訪。久部と激しい口論になるが、役者陣は「よほどのことがない限り止めるな」の指示を貫き続ける。リカの熱演に自然と拍手が起こり、黒崎も思わず「悔しいが面白い」と漏らす。ラストで久部は蓬莱の言葉を採用し、劇場は確かに変わり始めていた。

見どころ

○因縁がぶつかるゲネプロ
 ゲネプロ中に展開される、黒崎と久部の本音むき出しの衝突は必見。久部が抱えてきた劣等感と復讐心、黒崎の複雑な感情がぶつかり合い、練習の場が一瞬で“生の演劇”へと変貌する熱量が圧巻。

○止めない芝居が生む奇跡
 どれだけ混乱が起きても芝居を止めないWS劇場の面々。特にリカのヘレナのセリフが会場を静かに震わせ、思わず拍手が起こる。技術不足を補うのは“覚悟”。その姿勢が劇場を変え、天上天下に勝る瞬間が生まれる。

○創作の絆が光るラスト
 蓬莱が書いたラストのセリフ…「たかが舞台、されど舞台」。久部はそれを受け入れ、舞台の灯を自らの言葉として放つ。創作者としての自我よりも仲間の言葉を信じる成長が見える、静かで熱いクライマックス。

感想

 初日前夜というタイトルどおり、華やかな本番の直前に潜む不安、焦り、孤独が丁寧に描かれた回だった。

 照明が借りられない、役者が揃わない、外部から邪魔が入る。舞台裏のトラブルだらけのリアルさが、むしろ劇団の生きているエネルギーとして伝わってきた。

 ゲネプロ中に黒崎が乱入し、久部と激しく口論しながらも芝居は一切止まらない。あの混沌とした瞬間は、このドラマならでは真骨頂であり緊張感が漂った。

 ラストで久部が蓬莱のセリフを受け入れる場面にWS劇場の変化と、チームがようやく同じ方向を向き始めたのが見て取れる。

 どんな本番になるのか?次回が楽しみだ。