さよならノワール④

REVIEW

第4話 夢を絶たれたサッカー選手を支援せよ

キャスト

黒木夏海 … 小池栄子
白石絵梨子 … 北香那
鴨居卓海 … 岡山天音
桑原栄二 … 荒川良々
中谷健人 … 味方良介
大野裕也 … 濱尾ノリタカ
妹尾和馬 … 利重剛
河口真二郎 … 眞島秀和
五十畑修 … 岡部たかし
不二仁 … 浅野和之
田村貴子 … 戸田恵子
山崎創 … 渡部篤郎

【第4話ゲスト】
勝俣陸 … 岩瀬洋志
青木未来 … 糸瀬七葉
北川翔太 … 福崎那由他

あらすじ

○突き落とされたスター
 大学サッカー部の主将・勝俣陸(岩瀬洋志)が、自主トレ中に歩道橋から突き落とされる。高校時代から注目を集め、Jリーグ入りも決まっていた陸は、足に大怪我を負い選手生命を絶たれる危機に直面する。黒木夏海(小池栄子)と白石絵梨子(北香那)は、陸に自殺の可能性があると聞き、病院へ向かう。明るく振る舞う陸だったが、犯人への強い憎しみを隠していた。

○「用無し」の意味
 阪本晶(石川丈)が容疑者として浮上するが、陸とは面識がなく偶然ぶつかっただけだと主張する。しかし陸は、犯人が自分の名前を呼んだうえで「お前は用無し」と言ったと証言する。その言葉を思い出した陸は激しく動揺し、「絶対復讐してやる」と叫ぶ。夏海は陸の復讐心こそ危険な兆候だと考える一方、絵梨子は事件と向き合うことが回復につながると主張し、二人は対立する。

○大学の思惑
 阪本が過去に闇バイトをしていたことが判明し、今回も誰かの指示で陸を襲った可能性が浮上する。しかし大学側は、イメージを守るため事件を事故として処理するよう警察に求める。鴨居卓海(岡山天音)は捜査を続けるべきだと反発するが、署長や刑事課長は大学側の意向を受け入れようとする。絵梨子は捜査の裏側を知り、陸を狙った人物の存在を探ろうとする。

○浮かび上がる復讐者
 絵梨子は陸を外へ連れ出し、幼い頃に練習していたサッカー場を訪れる。陸と向き合う中で、事件を乗り越えるきっかけを探ろうとする。一方、チームのマネジャー・青木未来(糸瀬七葉)は、広報の北川翔太(福崎那由他)が事件当時の写真を持っていることに気づく。さらに北川の過去を調べると、2年前に陸から「用無し」と言われ、選手から広報へ回された事実が判明する。

○復讐を止める
 阪本が金を受け取って陸を襲ったと自供する中、陸は病院を抜け出して北川をグラウンドに呼び出す。北川は、サッカーを奪われたうえ就職もうまくいかなかったのは陸のせいだと告白し、自分と同じ苦しみを味わわせるために犯行を依頼していた。陸は北川にカッターナイフを向けるが、夏海と絵梨子の説得を受けて手を止める。復讐に復讐で応じない選択をした陸は、自分自身に勝ったと前を向く。

見どころ

○復讐する側とされる側
 被害者である陸が、かつては北川を深く傷つけていたという複雑な構図が描かれる。陸の襲撃は決して正当化されないが、犯人だけを一方的な悪として処理しないことで、人間関係の積み重ねが事件を生む怖さが浮かび上がる。立場が変われば誰もが加害者にも被害者にもなり得るという視点が、物語に重みを与えている。

○「用無し」が返ってくる
 陸が北川に投げつけた「用無し」という言葉が、年月を経て自分自身へ返ってくる展開が印象的である。陸にとっては軽率な一言だったかもしれないが、北川の人生を大きく変えるほどの傷になっていた。言葉は発した側が忘れても、受け取った側には残り続ける。その事実を事件の核心に置いたことで、単なる復讐劇ではない苦さを持つ。

○夏海と絵梨子の歩み寄り
 夏海と絵梨子は、陸への支援方針をめぐって正反対の意見をぶつけ合う。しかし今回は、互いの考えを否定して終わるのではなく、それぞれの方法を組み合わせて陸に向き合う。経験に基づく夏海の感覚と、心理学的な視点を持つ絵梨子の言葉が重なり、二人の関係は新しい段階へ進んだ。支援者側の成長も見逃せない要素である

感想

 被害者と加害者を単純に分けられないというのが興味深い話だった。「用無し」という一言がキーワードになっていた。

 その一言は陸と北川のそれぞれにとって別の意味を持っていた。陸は勝つための判断からでた言葉だが、北川には自分の存在を否定されたような言葉だ。

 陸自身が投げかけた言葉は記憶から薄れていた一方で、北川の中では長く消えない傷になっていたという対比には深く考えさせられた。

 だからといって暴力による復讐が許されるわけではない。陸がカッターナイフを手放して 被害者と加害者を単純に分けられないというのが興味深い話だった。「用無し」という一言がキーワードになっていた。

 その一言は陸と北川のそれぞれにとって別の意味を持っていた。陸は勝つための判断からでた言葉だが、北川には自分の存在を否定されたような言葉だ。

 陸自身が投げかけた言葉は記憶から薄れていた一方で、北川の中では長く消えない傷になっていたという対比には深く考えさせられた。

 だからといって暴力による復讐が許されるわけではない。陸がカッターナイフを手放して「自分に勝てて良かった」と復讐に復讐で応じない結末はよかった。

 被害者を守ることは、ただ優しい言葉をかけることではなく、その人が次の加害者にならないよう支えることでもあるということを描いた回だった。