今夜もシリアルキラーと待ち合わせ④

REVIEW

第4話 美しき怪物

キャスト

磯貝史郎 … 横山裕
黒井ヒナタ … 関水渚
牧野信一 … 奥野壮
長谷川梢 … 米倉れいあ
中華料理店「トキ」店主 … 上田航平
桑島直樹 … 大西武志
川田梓 … 小島藤子
佐竹大吾 … 戸田昌宏
鶴岡楓 … 山崎紘菜

あらすじ

○囮となる決意
 ヒナタ(関水渚)は、シリアルキラーであるリサ(田鍋梨々花)の標的が「へそピアスをした女性」である事実を掴む。推測を確証に変えるため、ヒナタは自らのへそにピアスを開けて囮として振る舞う。目論見通りヒナタに強い興味を抱いたリサは、彼女を自身の領域へと誘い込む。異常な殺意を隠そうともしないリサに対し、ヒナタは己の命を天秤にかけながらも、連続殺人鬼の行動原理を暴き出すべく危険な領域へと足を踏み入れる。

○密室の拷問
 ヒナタからの連絡を受けた磯貝(横山裕)は、彼女が残したわずかな痕跡を辿ってリサのマンションへ急行する。しかし部屋に二人の姿はなく、ヒナタは逃げ場のない密室へと連行されていた。ベッドに押し倒され、ロープで手足を完全に拘束されたヒナタは、首元に鋭利なナイフを突きつけられる。死が目前に迫る極限状態のなかでも、ヒナタは過去の犯行に関する情報を引き出そうと、言葉巧みにリサへの追及を試みる。

○間一髪の救出と手記
 拘束されたヒナタを前に、リサは「久しぶりかも」と異様な興奮を見せ始める。いつから殺人を犯しているのかと問いつめるヒナタに対し、リサが凶刃を振り下ろそうとした瞬間、居場所を突き止めた磯貝が突入しヒナタを救出する。その後、ヒナタは現場からリサの日記を発見し、そこに記された過去の犯行日付を確認する。何かの事実と照らし合わせた彼女は、張り詰めていた表情を緩め、どこか安堵したような様子を見せる。

○猟奇的動機と遺体発見
 逮捕されたリサのマンション裏庭からは、11人もの遺体が掘り起こされる。「へそピアスが欲しくて殺害した」という常軌を逸した動機を語るリサは、さらに初めて手にかかけた相手が自身の母親であり、その遺体は別の場所に遺棄した可能性を示唆する。一方、警察の取り調べに対し、リサは自身を拘束し通報した人物の顔は見ていないと証言。謎の通報者であるヒナタの正体は、依然として捜査一課に知られることなく伏せられている。

○隠された過去と新たな影
 磯貝はヒナタから、一年前に姉が殺害された凄惨な過去を明かされる。当時、姉から助けを求める着信があったにもかかわらず警察は本格的な捜査を行わなかった。ヒナタがシリアルキラーに執着する理由はそこにあった。磯貝は彼女と真実を追求する覚悟を固める。同じ頃、捜査一課に合流した刑事の楓(山崎紘菜)は一連の事件記録を検証し、謎の通報者が単独ではなく二人存在するという独自の仮説にたどり着いていた。

見どころ

○狂気と執念の対峙
 自らへそピアスを開けてまで殺人鬼に接近するヒナタの異常な執念と、快楽殺人者であるリサの純粋な狂気が交錯する密室劇が本話の中核をなす。死の恐怖に直面しながらも、ひたすらに過去の犯行情報を引き出そうとするヒナタの異質な精神性が浮き彫りになる。単なる被害者と加害者の構図を超え、互いの目的と狂気がぶつかり合う心理戦は、倫理観の欠如したシリアルキラーの不気味さを一層際立たせる仕上がりとなっている。

○安堵の表情が意味する謎
 磯貝に救出された直後、リサの日記に記された犯行記録の日付を確認したヒナタが安心した様子を見せる場面は、物語の根幹に関わる重要な伏線として機能している。自らの命を危険に晒してまで得た情報が、彼女に何をもたらしたのか。ヒナタの姉の死に関する犯人がリサではないと確信したのか、あるいは別の連続殺人鬼の存在を裏付ける証拠を得たのか。彼女の複雑な内面と真の目的が交錯するミステリー要素が深まる。

○鋭敏な観察眼を持つ追及者
 捜査一課に新たに加わった楓が提示する「通報者は二人いる」という鋭い推論が、今後の展開に新たな緊張感をもたらす。ヒナタと磯貝が秘密裏に行動し警察の目を欺き続けるなか、既存の捜査員とは異なる視点を持つ楓の登場は、二人の隠密行動に対する最大の脅威となる。警察という巨大な組織のなかで、彼女がどのように断片的な情報から真実に肉薄していくのか、追う者と追われる者の新たな知恵比べの幕開けを予感させる。

感想

 ヒナタの正気とは思えない行動力にシリアルキラーに固執して追い続ける動機が明かされた。

 命の危険を冒してまでリサに接近する姿には、何らかの理由があるはずだと思っていた。そこには姉が殺害された凄惨な過去があり、深い復讐心が見えた。

 とはいえ、リサという狂気に対し、ヒナタ自身もまた違うベクトルで狂気を孕んでいて、単なる勧善懲悪では終わらないように思える。

 また、磯貝も婚約者を奪ったシリアルキラーへの復讐という目的があるため、2人の間に少しずつ生まれた信頼関係も興味深い。

 さらに警察学校時代の動機である楓が登場したことにより警察側からのプレッシャーも加わった。今後、警察の網の目をくぐりながらヒナタと磯貝がどうやってシリアルキラー狩りを続けるのが見ものだ。