第3話 見えない中身
キャスト
磯貝史郎 … 横山裕
黒井ヒナタ … 関水渚
牧野信一 … 奥野壮
長谷川梢 … 米倉れいあ
中華料理店「トキ」店主 … 上田航平
桑島直樹 … 大西武志
川田梓 … 小島藤子
佐竹大吾 … 戸田昌宏
鶴岡楓 … 山崎紘菜
あらすじ
○監視映像が暴くシリアルキラーの正体
鷲頭リサ(田鍋梨々花)が連続殺人鬼であるというヒナタ(関水渚)の推測を半信半疑で聞いていた磯貝(横山裕)は、バーの防犯カメラ映像を確認する。そこには、失踪した女性たちと接触するリサの姿が明確に記録されていた。被害者たちに共通していたのは、手首に巻かれたヘアゴムのみ。リサがいかなる歪んだ基準で獲物を選別しているのかを見極めるべく、ヒナタは自らを囮にして真相に迫ろうと画策する。
○危険な家宅侵入と陽動工作
ヘアゴムだけでは決定的な標的条件を満たせず、焦燥に駆られた磯貝は強硬手段に出る。物証を確保するため、配達員を装ってリサの暮らすマンションへの不法侵入を企てたのだ。リサの留守を狙うべく、再びパーティーが開催される夜が実行に移される。ヒナタは磯貝から、リサが帰宅しそうになった場合は全力で足止めするよう厳命され、緊迫した空気のなか、偶然を装ってバーで彼女に接近し、陽動を開始する。
○闇に触れる指先と予想外の帰宅
手首のヘアゴムを強調してリサの興味を惹いたヒナタは、別室へと誘い込まれる。二人きりになった空間で、リサは品定めをするかのようにヒナタの腹部からボディラインを執拗になぞり始めた。しかし次の瞬間、突如として関心を失い不気味な笑みを残して「帰る」と告げる。想定外の事態に引き留めるすべを持たないヒナタをよそに、リサは真っ直ぐ自宅へと向かい、室内を物色中の磯貝へと思わぬ事態が降りかかることになる。
○暴かれた狂気のルーツ
リサの帰宅と同時に逃げ場のない状況に陥った磯貝だったが、接触の間際で部屋からの脱出を果たす。侵入時の調査により、彼女の両親が幼少期に離婚し、育ての親である母親が一年前に失踪している事実が判明した。さらに部屋の中には、行方不明のはずの母親を写した異様な数の写真が飾られていた。その光景は、リサが抱える深い闇と、連続殺人の根底にある心理的背景を強く暗示するものだった。
○痛みを対価にした執念の囮
磯貝からの報告と、腹部を探られた自身の体験を照らし合わせたヒナタは、リサが執着する本当の条件が「へそピアスの有無」であるという確信に至る。標的として完全に認識されるため、彼女は自らの腹部に痛みを伴うへそピアスを施す覚悟を決めた。再びリサの前に立ったヒナタの腹部を見た瞬間、リサの目は歓喜に染まる。「楽しいことしようよ」と甘く囁く殺人鬼に連れ出され、ヒナタは自ら死地へと足を踏み入れる。
見どころ
○無音に響く潜入の心理的圧迫感
配達員を装い、無人の部屋へ足を踏み入れる磯貝の描写は、重苦しい空気が画面全体を支配する。単なる空き巣とは異なり、相手は常軌を逸した連続殺人鬼である。静寂のなかで狂気の片鱗を探る彼の背後に、突如として家主が帰還する展開は、心理的な圧迫感を極限まで高めている。接触を回避するまでの数分間は、無音のなかに焦燥感だけが響き渡り、登場人物の呼吸すら聞こえてきそうな生々しい臨場感を生み出している。
○生理的嫌悪を誘う接触描写
別室でヒナタと二人きりになったリサが、獲物を検分するように肌をなぞる場面は、得体の知れない恐怖を視覚的に表現している。言葉を交わすことなく、指先の這い方や視線の動かし方だけで、相手を人間ではなく単なる対象物として扱っている異常性が伝わってくる。突如として関心を失い冷たく突き放す緩急のついた演技が、殺人鬼の予測不可能な精神状態を浮き彫りにし、不気味な余韻を残している。
○肉体を削って得た狂気の共鳴
自身の推論を証明し、殺人鬼の懐に潜り込むため、ヒナタがへそピアスを開けるくだりには、彼女の常軌を逸した執念が宿っている。正義感や好奇心の範疇を越え、肉体的な痛みを代償にしてまで死地に向かおうとする姿は、ヒナタ自身もまたある種の狂気を孕んでいることを示唆する。ピアスを見たリサが歓喜する瞬間、二人の狂気が共鳴し合うような異様な関係性の幕開けを見事に描き出している。
感想
初回からシリアルキラーのターゲットなるために相手の好みになるため合わせていたヒナタだったが、今回は一段上をいった感じだ。
リサのターゲット選びに合わせて自分の体に穴を開けてへそピアスをつける行為は、自己犠牲の一言では単純に表せない執着心のように思える。
そして、そこにはシリアルキラーであるリサの狂気と完全に表裏一体だ。彼女らの根本には何か同じような匂いがするし、一歩間違っていたらヒナタもリサ側にいた世界線もあったのかもしれない。
母親の失踪とへそピアスというのもリサの過去に根深い心の傷が浮き彫りになり、その原因は何なのか非常に気になる。
次回、ヒナタとリサの心理戦が見られそうで、どういった結末になるのかが楽しみ。
