第10話 最終バトンが第5期生に渡された!遂に認証なるか?
キャスト
朝野峻一 … 北村匠海
藤倉彩花 … 池端杏慈★
水谷結 … 南琴奈★
吉瀬乃愛 … 蒼戸虹子★
桜庭美咲 … 横田真子★
宮井恵 … 早瀬憩
早川樹生 … 中川翼
桑田実桜 … 足川結珠
菅原奈未 … 出口夏希
寺尾創亮 … 黒崎煌代
木村流空 … 山下永玖
菊池遥香 … 西本まりん
福原凪沙… 夏目透羽
佐々木柚希 … ゆめぽて
寺尾瑠夏 … 吉本実由
田所明正 … 八嶋智人
浜中道夫 … 三宅弘城
浜中和子 … 村川絵梨
百瀬弦 … 佐戸井けん太
檜山香織 … 熊切あさ美
皆川有紀 … ソニン
寺尾茂信… 迫田孝也
東口亮治 … 鈴木浩介
黒瀬正樹 … 荒川良々
木島真 … 神木隆之介
★は在校生、5期生
あらすじ
○新世代が挑む宇宙サバ缶
2018年、若狭小浜高校海洋科学科では、教師・朝野峻一(北村匠海)と菅原奈未(出口夏希)が、藤倉彩花(池端杏慈)、水谷結(南琴奈)、吉瀬乃愛(蒼戸虹子)、桜庭美咲(横田真子)による新たな宇宙サバ缶プロジェクトを見守っていた。JAXAの宇宙日本食担当・木島真(神木隆之介)からは、長期保存後も味を維持することに加え、宇宙でスプーンを使いやすいようサバの身を柔らかくしてほしいという新たな課題が示される。四人は町の人々への試食会を重ね、砂糖に身を柔らかくする効果があることを知るなど、小さな発見を積み重ねながら改良を始める。しかし、先輩たちから受け継いだ夢への向き合い方は、それぞれ異なっていた。
○黒ノートを巡る対立
実験が思うように進まないなか、乃愛は「自分たちは先輩の夢を引き継いでいるだけ」と考え、美咲も黒ノートに残された過去の研究成果を活用するべきだと主張する。一方、彩花は先輩の努力を尊重しつつも、自分たち自身の力で答えを見つけたいと考え、黒ノートに頼り切る姿勢へ反発した。意見の違いは次第に感情的な対立へ発展し、彩花は実習室を飛び出してしまう。結は双方の間で板挟みとなり、チームの雰囲気は険悪になる。夢を受け継ぐことと、自分たちの夢として挑戦することの違いが浮き彫りになり、四人は同じ目標を持ちながらも進むべき方向を見失ってしまう。
○海が教えてくれた夢の本質
朝野は彩花たちを海へ連れ出し、「マーメイドプロジェクト」に参加させる。これは十一年前から続くアマモを育てて海を再生する地域活動だった。見た目には大きな変化がなく、乃愛は「やった実感がない」と率直な思いを口にする。しかし朝野は、地味な作業を積み重ねるからこそ海は少しずつ変わるのであり、宇宙サバ缶もまったく同じだと語る。さらに、この夢は先輩だけのものでも今の生徒だけのものでもなく、地域や教師、JAXAを含め多くの人が育て続けてきた「みんなの夢」であると伝える。その言葉を受け止めた四人は自然にわだかまりを解き、再び一つのチームとして歩み始める。
○四人で見つけた新たな答え
実習を再開した彩花たちは、柔らかさとおいしさを両立させる方法を探し続ける。ある日、田所明正(八嶋智人)の店での何気ない会話をきっかけに、「神経締め」という鮮度を保つ技術に着目する。奈未の紹介で漁師・須崎純一(永野宗典)の指導を受けながら技術を学び、神経締めしたサバを使った試作品づくりに挑戦。その結果、身の柔らかさとうま味を両立したサバ缶が完成する。先輩たちの研究を土台としながらも、自分たち自身で見つけた新しい発想によって壁を乗り越えた四人は、大きな達成感を味わう。そして完成したサンプルはJAXAへ送られ、長い保存試験へ進むことになった。
○十二年越しの夢が宇宙へ届く
一年半後、木島と宇宙教育センター職員・皆川有紀(ソニン)が若狭小浜高校を訪れ、保存試験を終えた宇宙サバ缶を朝野が試食する。味も香りもほとんど変化していないことを確認した木島は、「宇宙が見えてきましたね」と微笑み、宇宙日本食として正式認証することを発表する。十二年間にわたり受け継がれた挑戦が実を結び、生徒たちや奈未、朝野は歓喜の涙を流した。その後、JAXAで認証式典が開かれ、宇宙飛行士・奥山亨(萩原利久)が夢は多くの人に支えられてかなうものだと祝福の言葉を贈る。そしてISS滞在中の宇宙飛行士がサバ缶を楽しみにしていると知った彩花たちは、ついにサバ缶が補給船で宇宙へ運ばれることを知り、長年追い続けた夢が現実になる瞬間を迎える。
見どころ
○受け継ぐ夢と自分たちの夢
「先輩から受け継いだ夢」と「自分たち自身の夢」という二つの考え方が丁寧に描かれる。黒ノートを活用すべきか、自分たちだけで新しい方法を探すべきかという対立は、研究開発だけでなく夢との向き合い方そのものを問いかける内容となっている。朝野が語る「みんなの夢」という言葉によって、それぞれの考えが対立ではなく一つにつながっていく流れは、シリーズ全体の集大成にふさわしい温かさを感じさせる場面である。
○神経締めが生んだ突破口
実験が行き詰まるなか、神経締めという現場の知恵を取り入れて課題を解決する展開は非常に見応えがある。町の人々との交流や漁師から学ぶ姿勢など、この作品が一貫して描いてきた地域とのつながりが研究成果へ結び付く構成も印象深い。先輩の知識を受け継ぎながら、新たな発想を自分たちで加えて完成へ近づく姿は、挑戦とは模倣でも独創でもなく、積み重ねの先にあるものだと教えてくれる。
○十二年間の挑戦が実を結ぶ瞬間
木島が宇宙日本食認証を告げる場面は、最大の感動シーンである。奈未や朝野だけでなく、歴代の生徒たちや町の人々が積み重ねてきた時間が一気によみがえり、長い物語の終着点として大きな余韻を残す。認証式典で奥山が語る「夢は一人のものではない」という言葉も、この作品のテーマを見事に言い表している。一方で、サバ缶が実際に宇宙へ届くのはこれからであり、物語がまだ終わっていないことを期待させる終盤の構成も秀逸である。
感想
ついに、長年積み重ねてきた努力が宇宙日本食認証という形でついに報われる。やっと念願が叶い達成感を味わえる回だった。
単なる綺麗な成功のみに終始せず、認証に至るまでの数々の失敗や衝突、その泥臭いプロセスの積み重ねがあったからこそ思いもひとしおで、また丁寧に描かれていたからだ。
彩花たちが黒ノートに頼るだけでなく、自分たちのアイデアとして神経締めという答えに辿り着いた展開が良かった。単に過去をなぞるだけはなく、自分なりの新しい価値を付加して未来へ繋いでいくこそが「夢を受け継ぐ」というメッセージだと感じた。
木島もわざわざ高校まで足を運んで認証を伝え、生徒たちに感謝を述べるシーンも心に残った。関わった全ての人間への敬意が表れていた。そこには単なる審査官ではなく、ともに挑戦してきた戦友のようにも思えた。
もちろん、認証式典で宇宙飛行士・奥山のスピーチも良かった。何度も挫折しながら多くの人に支えられて宇宙飛行士になったからこそ、「夢は自分一人だけのものではない」という言葉も心に残る。
今話で最終回でも話としては成り立つが、次回の最終回はどう着地させるのか展開が楽しみだ。
