第8話 取り戻した記憶…2人に忍び寄る影
キャスト
坪倉あゆみ … 木南晴夏
Kei … 高杉真宙
小椋藤子 … 瀧本美織
吉野舞 … 佐津川愛美
長峰里佳 … 月城かなと
小林達也 … 森優作
篠塚拓実 … 草川拓弥
加藤亮介… YU
鈴木小春 … 白本彩奈
坪倉陽菜 … 吉田萌果
鈴木林太郎 … 安井順平
坪倉京子 … 筒井真理子
坪倉渉 … 中村俊介
あらすじ
○よみがえった記憶と引き戻される現実
若林慧(高杉真宙)は、坪倉あゆみ(木南晴夏)と過ごした月夜のキッチンでの日々を完全に思い出す。記憶を取り戻した慧に抱きしめられたあゆみは、ようやく彼が現実の世界へ戻ってきたことを実感する。しかし、その瞬間に婚約者・小椋藤子(瀧本美織)から電話が入り、二人は現実へ引き戻される。慧との時間が特別だったことを認めながらも、あゆみは渉(中村俊介)との関係を立て直そうとしていると告げ、薬膳教室が終われば会わないと決意する。ようやく結ばれそうになった心が、再び理性によって引き裂かれるのである。
○疑念が広がる坪倉家の影
翌朝、あゆみは財布にGPSが仕掛けられていた事実を知り衝撃を受ける。渉が自分の行動を把握していた理由が明らかになり、夫婦関係への不信感は一気に深まる。一方で、記者の長峰里佳(月城かなと)は坪倉ホールディングスの食品仕入れルートを調査していた。秘書・小林達也(森優作)はその動きを渉へ報告し、渉は自ら事態の収拾に動き始める。また、吉野舞(佐津川愛美)が渉へ情報を流していたことも判明し、あゆみが信じてきた人間関係にも亀裂が生じ始める。恋愛だけではない問題が、水面下で着実に膨らんでいくのである。
○揺れる慧と藤子
慧は藤子を幸せにしたいという責任感と、あゆみへの忘れられない思いとの間で苦しんでいた。そんななか、成仏したはずの鈴木林太郎(安井順平)と再会し、自らの迷いを打ち明ける。一方、藤子は慧の家で完成済みの「夏のポルペッテ」のレシピを発見し、不信感を募らせる。さらに慧があゆみと過去に関わっていたのではないかと疑い始める。慧はごまかそうとするが、藤子が作ったサルティンボッカを口にした瞬間、あゆみと初めて料理をした夜の記憶が鮮やかによみがえる。隠し通していた過去が、少しずつ現在へ侵食し始める。
○最後の授業へ向かう時間
薬膳教室は残りわずかとなり、生徒たちは自分なりの薬膳料理を考える課題に取り組む。授業のない日に相談へ訪れたあゆみは、偶然居合わせた慧と共に食材を買いに出かけることになる。あゆみは健康を支えるミールキット作りに興味を抱いていることを打ち明けるが、慧はその夢を応援したいと申し出る。しかし、あゆみは二人で会い続ければ気持ちが抑えられなくなることを理解していた。慧の想いを知りながらも距離を置こうとする姿は、相手を大切に思うからこその苦しい選択であった。
○運命の証明
薬膳教室最後の日、あゆみは学んできた知識と優しさを込めた料理を完成させる。授業後、二人は最後と約束して再び同じキッチンに立つ。料理をしながら、慧は祖母との思い出を語り、無意識にある鼻歌を口ずさむ。その旋律を聞いたあゆみは、三年前に鎌倉で人生に絶望していた自分が耳にした歌声を思い出す。金針菜の花に救われたあの日、近くにいたのは慧だったのだ。二人は幽霊と主婦として出会う以前から同じ場所に存在していた。偶然では説明できない縁を確信した慧は藤子との結婚を白紙に戻す決意を告げ、あゆみを抱きしめる。しかしその場へ渉が現れ、物語は大きな転換点を迎える。
見どころ
○三年前から結ばれていた縁
あゆみと慧の縁がキッチンで始まったものではなかったと判明する場面は最大の見どころ。鎌倉の金針菜畑と鼻歌のエピソードいう過去の接点が明らかになることで、これまでの出来事が偶然ではなく必然だったように感じられる。恋愛ドラマとしての説得力が大きく増した印象的な展開である。
○藤子の立場から見える切なさ
これまではあゆみと慧の関係に感情移入しがちだったが、第8話では藤子の苦しさも色濃く描かれる。結婚を目前に控えながら婚約者の心が別の女性へ向かっているかもしれないという不安は切実である。誰か一人が悪いわけではない三角関係だからこそ、視聴者も簡単に答えを出せない重みがある。
○恋愛劇と企業スキャンダルの融合
坪倉ホールディングスの産地偽装疑惑、GPSによる監視、舞の裏切りとも取れる行動など、サスペンス要素も本格化している。恋愛ドラマとしての盛り上がりだけでなく、渉を巡る問題が同時進行で膨らんでいくことで、物語全体に緊張感が生まれている。
感想
これまで少しずつ積み上げてきた恋愛要素が一気に加速された回だった。金針菜の花や鼻歌といった、これまでの伏線が一本の線に繋がった瞬間は何ともいえない高揚感があった。
運命だったからと慧が藤子との結婚を白紙にすると告げる決断は納得はできる。ただ藤子の気持から考えると切ない。
もっとも藤子の存在があるからこそあゆみとkeiの関係を際立たせてるのは確かだ。この3人の背景が見ているものの感情を揺さぶっていて見事だと思う。
一方で渉に対してのあゆみだが、GPSの件や産地偽装疑惑によってかなり不信感が決定的だ。坪倉家はこのまま破滅の道へ進むのか。
ラストであゆみとkeiの前に現れた渉。一気に緊迫した空気に変わった。恋愛、家族、企業と終盤へ向けてそれぞれが動き出し、次回への期待を強く抱かせる終わり方だった。
