月夜行路ー答えは名作の中にー⑦

REVIEW

第7話 震える邸宅街!公園の爆弾魔と肉塊切り裂く謎の少年

キャスト

野宮ルナ … 波瑠
沢辻涼子 … 麻生久美子
田村徹矢 … 栁俊太郎
佐藤和人 … 作間龍斗(ACEes)
小湊弘樹 … 渋川清彦
沢辻菊雄 … 田中直樹

【第7話ゲスト】
七海さつき … 遠藤久美子
吉澤晃 … 野間口徹
吉澤龍之介 … 二井景彪
緒方光二 … 田野井健

あらすじ

○父の遺した謎と「吾輩は猫である」
 野宮ルナ(波瑠)の元に、長年確執があった父(石橋凌)のPCが届いた。母(石野真子)からパスワード解読を懇願され、渋々ながらも涼子(麻生久美子)と共に新たな「文学探訪」へと乗り出す。しかし、手がかりは画面に映し出された「吾輩は猫である」の表紙のみ。二人は夏目漱石研究の第一人者である吉澤(野間口徹)を訪ねる。

○はからずもの再会
 そんな中、吉澤の息子・龍之介(二井景彪)に近隣の公園での爆破予告の容疑がかけられていると警察官が訪ねてくる。龍之介は最近、パンの窃盗や大量の牛肉、ぬいぐるみの購入と投棄など不可解な言動を繰り返していた。ルナは、彼の奇行の裏に隠された切実なメッセージに気づく。

○不可解な言動の裏に
 吉澤邸を訪れた涼子は、思いがけない人物と顔を合わせる。吉澤の妻であるさつき(遠藤久美子)である。さつきはかつて、涼子とバドミントンでペアを組み、共にオリンピック出場という大きな目標に向かって過酷な練習に励んだ相手だ。しかし、途中で夢を諦め挫折を味わった涼子に対し、さつきは夢を叶えたという対照的な過去を持つ。予期せぬ形での再会を果たした二人の胸中には、過去のわだかまりや羨望といった複雑な感情が渦巻く。

○罪を隠すための罪
 龍之介の奇行は、実は友人である光二(田野井健)の行動を隠すためのものだった。光二は勉強のストレスから、公園の砂場にガラスを埋めたり、ぬいぐるみや豚肉に針を仕込んだりしていた。龍之介は、光二が仕掛けた危険物を回収し、事件が発覚しないように立ち回っていたのだ。

○奇跡の出会い
 全てを一人で抱え込んでいた龍之介の行動は、光二を救いたいという一心からだった。かつて共にダンスで高みを目指した親友を、見捨てることはできなかったのだ。その深い友情に触れた涼子は、過去の自分を否定せず、夢中になれた時間を大切にすることの重要性を再認識する。

見どころ

○ルナと涼子の新たな旅
 父のPCのパスワード解読という新たな謎が提示され、物語は新たな展開を迎える。手がかりが少ない中、二人がどのように謎に迫っていくのか、その過程は見どころの一つだ。

○過去のライバルとの再会
 涼子とさつきの再会は、かつての青春の日々を思い起こさせる。挫折と栄光、それぞれの道を歩んだ二人が、再会を通して何を思い、どう変わっていくのか、二人の心情の変化に注目したい。

○少年たちの深い友情
 龍之介が光二を想う深い友情には、胸を打たれる。自分の身を危険に晒してまで親友を守ろうとする姿は、若き日のルナや涼子の姿とも重なり、作品全体のテーマである「過去の自分を肯定する」というメッセージを強く印象付ける。

感想

 友人を想う少年の深い友情にまつわるエピソードだった。龍之介が光二の罪を隠すために、自らを犠牲にしてまで不可解な行動をとっていた真相には驚かされた。

 特に、ルナが龍之介にかけた「過去の自分を否定しないでほしい」「そこまで思える友達に出会えるって奇跡です」という言葉は印象的だった。

 かつて同じ夢を追いかけて時間を共有した仲間は、例えその後疎遠になったとしても、心の奥底で繋がっている。その繋がりを大切にすることの尊さを、改めて教えてくれたように思う。

 また、涼子とさつきの再会も、物語にぐっと深みを与えていた。かつてのライバルとの再会は、涼子自身が過去と向き合うきっかけとなり、娘の芳香(戸田彩巴)に「好きなことを思いっきりやってほしい」と背中を押す姿は、非常に感慨深いものだった。

 家族で話してあえて、きちんと子供の夢を尊重できる親、理想ではあるけれど、現実的にはそういう親ばかりではないからなと観ていてふと感じた。

 そして、父のPCの謎は依然と残されている。パスワードの回数もあと3回。今後どう展開していくのか楽しみだ。