第5話 ルナ失踪!残された旅の全記録と衝撃真実…川端康成で追う
キャスト
野宮ルナ … 波瑠
沢辻涼子 … 麻生久美子
田村徹矢 … 栁俊太郎
佐藤和人 … 作間龍斗(ACEes)
小湊弘樹 … 渋川清彦
沢辻菊雄 … 田中直樹
【第5話ゲスト】
稲垣正義 … 田村健太郎
桜井 … 萩原護
あらすじ
○元恋人の嘘と東京への決意
沢辻涼子(麻生久美子)は野宮ルナ(波瑠)の尽力により、かつて突然消えた元恋人・カズト(作間龍斗)と予想外の形で再会する。そこで明かされたのは、悲しい別れの裏に隠されていた彼の優しい嘘であった。長年止まっていた心の時間がようやく動き出し、前を向いた涼子は住み慣れた東京へ戻ることを決意する。
○夫の登場と告げられた真実
出発の直前、涼子の前に現れたのは東京にいるはずの夫・菊雄(田中直樹)であった。居場所を教えていないはずの夫の登場に困惑する涼子に対し、菊雄の口から語られたのはあまりに衝撃的な事実であった。実はルナが菊雄を呼び出しており、不倫を疑わせてしまったことを謝罪される
○ルナの失踪と黒い影
東京へ戻った涼子は、カズトへの未練を断ち切ったことで日常の尊さを再確認する。感謝を伝えるため再びバー「マーキームーン」を訪れたが、店主のバブリー(真田怜臣)からルナが失踪したことを告げられる。さらに、ルナの身に謎の黒い影が忍び寄っていたという不穏な事実を知る。
○文学で追う親友の足跡
ルナが残した言葉を頼りに、涼子は文学を糸口として彼女の行方を追い始める。ルナの行動は涼子を救うためだけではなく、彼女自身の物語でもあったのだ。川端康成を愛するルナが向かったのは、小説の舞台にもなった大阪の有名な月見スポットであった。
○月食の夜の再会と新たな試練
3月3日の月食の夜、涼子は予測した場所でルナと再会を果たす。二人は互いを大切な友人として認め合い、過去を洗い流して前へ進むことを誓う。しかし、東京へ戻ろうとする二人に、病院の院長から不穏な連絡が入り、さらなる過酷な試練が待ち受けていることが予感される。
見どころ
○夫婦の対峙とルナの真意
不意に現れた菊雄と涼子が向き合う場面が印象的である。ルナが裏で菊雄と繋がっていた理由や、涼子の家庭を守るためにあえて不誠実な夫かどうかを確かめようとしていた真意が明かされる。単なるお節介を超えたルナの深い思惑と、それに揺れる夫婦の人間模様から目が離せない。
○川端康成の文学に隠された暗号
ルナの足取りを追う鍵となるのが、川端康成の文学である 。作中で変化する「月の描写」や日付、場所に仕込まれた文学的な伏線を、涼子が一つずつ解き明かしていく過程は知的な興奮を誘う。名作を媒介にして二人の心が重なり合う演出が非常に美しい。
○浄化の橋での美しい和解
大阪の月見スポットで二人が再会し、本音を語り合うクライマックスは見逃せない。渡ると心が浄化されるという言い伝えのある橋の上で、これまでの葛藤や過去の未練をすべて手放していく。月食という幻想的なシチュエーションも手伝い、二人の友情が本物になる瞬間が叙情的に描かれている
感想
涼子の過去の清算からルナとの深い友情の確立、そして新たな謎の幕開けまで、見応えのあるエピソードだった。
これまでどこか掴みどころのなかったルナだが、実は菊雄が担当する作家・重原壮助だった。さらに涼子の家族への愛情や誠実さを確かめるために旅へ連れ出していたという真相にはびっくりした。
本作の魅力である川端康成の文学をモチーフにした謎解きも良かったし、満月から月食へと移り変わる夜空の描写が、登場人物たちの心境の変化…すなわちリセットと再生と見事にシンクロしていた。
特に、大阪の橋の上で二人がお互いを友達と認め合う場面は、映像が美しく屈指の名シーンだった。日常に埋没していた涼子が、文学を通じて他者の心に寄り添い、自ら動く強さを手に入れた成長劇と言えるだろう。
しかし、そんな余韻に浸る間も束の間、ラストで告げられた病院からの知らせと不穏な影の存在が緊張感を高める。そして次回への期待がわいてくる。
