第2話 ロマンス詐欺に潜む闇
キャスト
二宮奈美 … 沢口靖子
佐生新次郎 … 安田顕
山内徹 … 横山裕
清水紗枝 … 黒島結菜
南方睦郎 … 一ノ瀬颯
田辺智代 … 馬場園梓
掛川啓 … 金田哲
早見浩 … 松角洋平
桐谷カナ … 白本彩奈
桐谷杏子 … 板谷由夏
あらすじ
○国家が動く、SNS詐欺の報告書
内閣官房副長官・佐生新次郎が、SNS型ロマンス詐欺グループ摘発の報告を情報犯罪特命対策室(DICT)室長・早見浩(松角洋平)に提示。被害総額1270億円超という規模に対し、「氷山の一角だ」「中枢を突け」と指令が下る。
○マッチングアプリから始まる罠
被害者・芝田(星田英利)はマッチングアプリで「米軍医エマ」を名乗る相手に多額送金。捜査チーム・奈美(沢口靖子)らは、送金ルートを追跡、運営元にアカウント照会を依頼するなど捜査を開始。
○中継口座に日本人名義の女
送金先をたどると、海外口座の前段に一件だけ“日本人名義の中継口座”が浮上。口座名義はスーパー勤務の橋本咲希(桜井玲香)だった。奈美と掛川が咲希に面会するが、心当たりを否定する咲希に違和感を抱く。
○隠された恋人と交錯する証言
咲希が業務中、頻繁に恋人と連絡を取り合っていたという同僚の証言。恋人をかばう姿勢の咲希、そして口座貸与の疑いが浮かぶ。奈美は咲希のスマホを預かり、DMのやり取りから花束や向日葵といったヒントが浮上し、パクの正体が同僚である可能性が判明。
○自首する同僚、被害者と加害者の境界
咲希の同僚・藤井遥香(菜葉菜)が出頭。実はディープフェイクを使い恋パクを半年ほど演じていた。そして、咲希はそれを知りながらも依存の関係を続け、詐欺に加担してしまった。末端しか捕まらない構図が浮き彫りに。
見どころ
○ロマンス詐欺の実態
マッチング→恋愛→送金という階層構造を持つロマンス詐欺の手口が浮かび上がる。まさに感情を武器にした情報犯罪であり、見えない敵との戦いとしてシリーズのテーマが深まる。
○被害者か?加害者か?曖昧な境界
ロマンス詐欺の被害者と思われた咲希が実は加害側に近い立場だったり、恋人の正体を知った上で依存していたという構図が明かされど被害者か?加害者か?というテーマが深く描かれている。
○日常の違和感から真実を掬い上げる捜査
奈美がスーパーでの休憩時のメールや表情の変化、花束のやりとり、休憩中のスマホ操作といった、小さな日常の“違和感”に気づく描写が印象的。
感想
ロマンス詐欺という現代的な犯罪を題材に、被害者と加害者の境界を見つめ直すエピソードだった。
印象的だったのは、スーパー店員・咲希と同僚・遥香の関係。被害者でありながらも依存によって加担してしまう人間の弱さが淡々と切実に描かれていた。
取調室で遥香が苦悩を告白し、咲希が感情を爆発させ、さらに泣き崩れるシーンは心に刺さるものがあった。
普通の女性たちが闇の網に飲み込まれる入口についても回想シーンなどで描写があると良かったかなと感じる。

