もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう②

REVIEW

第2話 八分坂日記

キャスト

久部三成 … 菅田将暉
倖田リカ … 二階堂ふみ
蓬莱省吾 … 神木隆之介
江頭樹里 … 浜辺美波
風呂須太郎 … 小林薫
トニー安藤 … 市原隼人
大瀬六郎 … 戸塚純貴
パトラ鈴木 … アンミカ
毛脛モネ … 秋元才加
朝雄 … 佐藤大空
おばば … 菊地凛子
江頭論平 … 坂東彌十郎
うる爺 … 井上順
伴工作 … 野間口徹
ジェシー才賀 … シルビア・グラブ
乱士郎 … 佳久創
浅野大門 … 野添義弘
浅野フレ … 長野里美
トンちゃん … 富田望生
黒崎 … 小澤雄太
彗星フォルモン … 西村瑞樹(バイきんぐ)
王子はるお … 大水洋介(ラバーガール)
仮歯 … ひょうろく
毛利里奈 … 福井夏
ケントちゃん … 松田慎也
いざなぎダンカン … 小池栄子

あらすじ

○満員の記憶、空席の現実
 かつて満員の観客で賑わったWS劇場は、今や閑古鳥が鳴く寂れた場所に。照明の消えた舞台に立つ久部は、かつての熱気を思い出しながら、自分が再び光を灯せるのかを思い悩む。

照明スタッフ、再出発
 劇団を追われた久部(菅田将暉)は、支配人・浅野(野添義弘)に誘われ、照明スタッフとしてWS劇場で働き始める。演出家ではなく裏方としての再出発。だが、彼の中では再び「舞台を創る」情熱が静かに燃え始めていた。

楽屋に響く沈黙
 久部を伴うスタッフ・伴工作(野間口徹)がダンサーたちの楽屋を案内。パトラ鈴木(アンミカ)、毛胯モネ(秋元才加)は挨拶を返すが、倖田リカ(二階堂ふみ)だけは目を合わせようとせず、冷たい空気が漂う。

過去との再会
 久部はジャズ喫茶「テンペスト」で、かつての劇団仲間と再会。過去の失敗を思い出しながらも、再起を誓うきっかけを掴む。彼の中で舞台への情熱が再び動き始めた。

○旗揚げの予感
 久部はシェイクスピア全集を取り戻しつつ、劇場再生のゴールを見据える。ストリップ劇場から演劇劇場へ。新たな物語の始まりを示唆する。

見どころ

○“劇場の裏側”を映し出す舞台設定
 第2話では、華やかな舞台というよりも、劇場が抱える窮状・裏舞台の景色が強調されており、観る者に“舞台とは何か”“裏とは何か”を問う視点が提示されている。

○久部の転換点としてのエピソード
 久部が照明スタッフとして劇場に入り、「ただ舞台に立つ」ではなく「舞台をつくる、支える」という役割を見せ始める点が、物語の転換となる重要なシーンになっている。

○登場人物間の微妙な距離と緊張感
 倖田リカと久部のやり取り(目を合わせない、距離を保つ)や、支配人・妻・旧劇団など、さまざまな関係性の“背景”がちらりと見え、群像劇としての深みが増してきている。

感想

 久部と劇場の再生の始まりというのが第2話だった。演出家だった男が照明スタッフとして裏方として舞台の裏側に姿は切ない。また風営法改正で客が減ったストリップ劇場の理想と現実も生々しい。

 久部と倖田の距離感は緊張感がある。おそらく彼女が何か抱えているものがあるだろう。それが何なのかと物語の中へと引き込まれてしまう。

 舞台の裏側である楽屋。個性的なダンサーたち、支配人夫婦、舞台監督、芸人、放送作家らの人間模様が面白い。そしてそれを見せてしまっている。

 さて光を失った劇場に再び灯はともるのか。