第1話 情報犯罪ー見えない大きな綱を破り続けろー
キャスト
二宮奈美 … 沢口靖子
佐生新次郎 … 安田顕
山内徹 … 横山裕
清水紗枝 … 黒島結菜
南方睦郎 … 一ノ瀬颯
田辺智代 … 馬場園梓
掛川啓 … 金田哲
早見浩 … 松角洋平
桐谷カナ … 白本彩奈
桐谷杏子 … 板谷由夏
あらすじ
○発足“DICT”始動
「情報を悪用した犯罪が増えている」として、総理大臣・桐谷杏子(板谷由 夏)と内閣官房副長官・佐生新次郎(安田顕)直轄の捜査チーム、情報犯罪特命対策室(通称:DICT)が半年前に発足する。だが、目に見える成果はいまだ出ておらず、マスコミ対応に追われる日々だった。
○連続強盗事件の発覚
そんな中、「情報を悪用」した強盗事件が連続して発生する。被害宅への不法侵入、足を折られる被害という共通点があり、捜査メンバー・田辺智代(馬場園梓)は、複数の事件を分析して“匿名・流動型犯罪グループ”、通称「トクリュウ」の仕業ではないかと仮説を立てる。
○実行犯逮捕と壁
DICTの調査官・清水紗枝(黒島結菜)が実行犯を特定、捜査員・南方睦郎(一ノ瀬颯)と掛川啓(金田哲)が実行犯を逮捕する。しかし、逮捕されたのは“指示を受けただけ”の受け子的存在。真のグループの実体を掴めず、犯行の根本解決には至らない。
○二宮奈美、現場へ飛び出す
生活安全課から異動してきたベテラン刑事・二宮奈美(沢口靖子)は、「事件現場を直接確認したい」と室長・早見浩(松角洋平)に直訴し、捜査員・山内徹(横山裕)を連れ現場へ急行。そこで、偶然出会った老婦人・真田富貴子(梅沢昌代)と“息子を名乗る不審な電話”の話を交わす。
○“見知らぬ顔”から電話、そして次の罠へ
富貴子のもとに「警察」「口座情報漏洩」と名乗る電話が入り、現金を“預からせてほしい”という要求が来る。待ち合わせ場所に来た少年と富貴子のやり取りを、DICTが待機・逮捕。だが、真相の核心にはまだ届いておらず、事件の背後に“情報犯罪の構図”が浮かび上がる。
見どころ
○“見えない敵”との対峙
従来の凶悪事件や容疑者が明確な“顔のある”犯罪ではなく、ネットワーク、匿名性、データ活用という構造により犯人像がぼやけた「情報犯罪」。その“正体が見えない敵”と、刑事たちがどう向き合うかが緊張感の核になっている。
○二宮奈美の捜査スタイル
地域密着の現場刑事から国家直轄の情報犯罪捜査へと身を移した奈美。彼女の「住民との会話」「街中での聞き込み」といったが捜査スタイルが新しい捜査環境でどう生かされ、また葛藤を生むのか。
○チーム結成&キャスト新体制
総理直轄の“DICT”という組織を舞台に新メンバーが集結。シリーズ5作目として刷新された体制が、新鮮な緊張感をもたらしている点は見逃せない。
感想
新シリーズの幕開けとなる第1話は、情報犯罪をテーマにトクリュウに代表される特殊詐欺といった現代社会の闇を描いた社会派サスペンス。
使い捨てにされる実行役の若者たちが目星をつけている家に押し入るシーンなどはリアルに再現されていて臨場感があった。
また、デジタル犯罪という無機質な事件に対し沢口靖子演じる二宮奈美の捜査方法が人との対話といった対比が面白い。
ただ、沢口靖子はどうしても科捜研のイメージがあるのと、このドラマでは走ってばかりでしっくりこず、違和感があった。回を重ねることにそれがなくなっていくのだろうか?

