第1話 ここは八分坂
キャスト
久部三成 … 菅田将暉
倖田リカ … 二階堂ふみ
蓬莱省吾 … 神木隆之介
江頭樹里 … 浜辺美波
風呂須太郎 … 小林薫
トニー安藤 … 市原隼人
大瀬六郎 … 戸塚純貴
パトラ鈴木 … アンミカ
毛脛モネ … 秋元才加
朝雄 … 佐藤大空
おばば … 菊地凛子
江頭論平 … 坂東彌十郎
うる爺 … 井上順
伴工作 … 野間口徹
ジェシー才賀 … シルビア・グラブ
乱士郎 … 佳久創
浅野大門 … 野添義弘
浅野フレ … 長野里美
トンちゃん … 富田望生
黒崎 … 小澤雄太
彗星フォルモン … 西村瑞樹(バイきんぐ)
王子はるお … 大水洋介(ラバーガール)
仮歯 … ひょうろく
毛利里奈 … 福井夏
ケントちゃん … 松田慎也
いざなぎダンカン … 小池栄子
あらすじ
○追放された演出家、八分坂へ
昭和59年秋。蜷川幸雄に憧れる若き演出家の卵・久部三成(菅田将暉)は、自ら立ち上げた劇団での横暴ぶりが災いし、劇団から追放される。所属を失った彼は、行くあてもなく東京の街を彷徨う。
○ネオン街「八分坂」と案内所の“おばば”
夜の渋谷、怪しげなアーケード街「八分坂」に迷い込んだ久部。入口には「Pray speak what has happened(何があったか話してごらん)」という文字が掲げられており、無料案内所を営む謎の “おばば”(菊地凛子)が彼を誘う。
○WS劇場への扉と出会い
おばばに導かれて久部は「WS劇場」の扉を開く。そこには猥雑で妖しい空気が漂い、ストリップ興行やダンスが混在する世界が広がっていた。久部は、そこに佇む倖田リカ(二階堂ふみ)の姿に強く惹かれる。
○シェイクスピア全集奪われる
久部が大切に持っていたシェイクスピアの全集を、ぼったくりに遭って奪われてしまう。だが、彼は劇場の裏手(バックステージ)に潜り込み、自ら全集を取り返す。その過程で、裏舞台の通路や袖へと導かれていく。
○照明を手にリカへスポットを当てる
劇場では、看板ダンサーいざなぎダンカン(小池栄子)が照明スタッフと駆け落ちし、その空白を埋める人員がいない状況に。リカに光を当てたい衝動にかられた久部は、舞台袖からはしごを使って照明器具を操作し、リカにスポットを当てる。暗闇と光のコントラストの中で、久部とリカの瞬間が交錯する。
見どころ
○八分坂、現実と虚構
劇団を追われた久部三成(菅田将暉)が迷い込む「八分坂」は現実と舞台の境界を曖昧にする不思議な街。照明が変わり、音が止む瞬間、観る者も“舞台の中に入った”ような錯覚を覚える。
三谷幸喜らしいメタ的導入が物語の哲学的テーマを提示する。
○理屈と情熱、二人の“芝居観”
久部と踊り手・倖田リカ(二階堂ふみ)の出会いは、静かながら激しい言葉の応酬。「芝居はわかりやすさじゃない」と語る久部に、リカが「伝わらなきゃ意味がない」と返す。理屈と情熱、二つの価値観の衝突がドラマ全体の核となる。
○“楽屋”とはどこか?
舞台の照明が落ちた後、久部が静まり返った劇場を見つめる終盤。ナレーションの「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」が響く。表の顔と本音、人生と芝居の境を問うような、美しく余韻の残る締めくくり。哲学的なラストシーン。
感想
昭和の渋谷「八分坂」という架空の街を舞台に、現実と虚構の境界を行き来する世界観が独特だった。また、没入感があり「この世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」という言葉は、
単なる劇中の台詞にとどまらず、視聴者の思いを代弁しているようにも思った。
初回から引き込まれたものの登場人物が多いので役名や役柄が自分の中で定着するまでこんがらがってしまいそう。


