問題物件⑪

REVIEW

第11話 終の部屋

キャスト

犬頭光太郎 … 上川隆也
若宮恵美子 … 内田理央
大島雅弘 … 宮世琉弥
有村次郎 … 浜野謙太
片山芳光 … 本多力
大島高丸 … 船越英一郎

【第11話ゲスト】
薦田恵美子 … 浅野ゆう子
津島誠 … 渋谷謙人
朝倉康輔 … 芝大輔(モグライダー)
西茉由香 … 星乃夢奈
我孫子栄介 … 徳井優

あらすじ

○犬頭不在の一カ月と再会の兆し
 犬頭光太郎(上川隆也)が姿を消してから一カ月。若宮恵美子(内田理央)と大島雅弘(宮世琉弥)は二人だけで問題物件の調査を続けていたが、解決までに時間がかかり、販売特別室の存在意義さえ疑問視されていた。恵美子は犬頭の不在によって初めて、これまでの案件がどれほど彼に支えられていたかを痛感する。そんななか、有村次郎(浜野謙太)の調査で犬頭の正体候補だった江頭浩二郎がすでに亡くなっていることが判明。謎は深まるばかりだったが、偶然にも犬頭が高齢女性を助ける場面を目撃し、再会への道筋が開かれるのである。

えみちゃんが恐れる「終の部屋」
 犬頭に助けられた女性は、かつて雅弘の世話をしていた元家政婦・薦田恵美子(浅野ゆう子)だった。えみちゃんはサービス付き高齢者向け住宅「アストラ」に住んでおり、そこで起きる不可解な連続死に怯えていた。203号室、303号室、403号室と、○○3号室の住人ばかりが相次いで心不全で亡くなっているというのだ。住人たちは「天女の呪い」と噂し、503号室に住むえみちゃんは次の犠牲者が自分だと信じていた。雅弘と恵美子は恩人を守るため、自ら調査に乗り出す決意を固めるのである。見せ始める。

天女伝説と転落死の接点
 アストラを調べ始めた恵美子たちは、亡くなった住人たちが死の直前に“天女”を見たという証言へ辿り着く。その正体は隣接するマンション・バンデルハイツで起きた看護師・岡村美紅の転落死だった。さらに死亡した住人たちの遺体には羽衣を思わせるオーガンジーのショールが掛けられていたことも判明する。犬頭は、美紅の死が自殺ではなく殺人であり、その犯人が口封じのためにアストラの住人たちを次々と狙った可能性を考える。怪談めいた噂が現実の事件へと姿を変えていく展開である。

○津島が隠していた罪
 調査を進めるうちに、犬頭は施設職員・津島誠(渋谷謙人)の言葉遣いに違和感を覚える。「ルルはむじいね」という宮崎方言が、美紅の出身地と結び付いたのだ。やがて津島と美紅が高校時代からの恋人だったことが判明する。二股関係の発覚から口論となり、美紅は事故的に命を落としてしまった。津島は転落死を自殺に見せかけたが、その後届いた脅迫状によって犯行発覚を恐れるようになる。そして○○3号室の住人たちを目撃者だと思い込み、次々と殺害していたのである。のである。

○販売特別室を守った犬頭の覚悟
 事件解決後、恵美子と雅弘を待っていたのは販売特別室解散の危機だった。大島高丸(船越英一郎)は犬頭の介入を理由に部署の存続を認めようとしない。しかし犬頭は高丸の息子によるひき逃げ事件の情報を握り、それを公表しない代わりに販売特別室の存続を要求する。こうして特別室は守られることになった。そして物語の最後には、犬太の正体が雅弘に恩を返すため生まれ変わった存在だったことも示唆される。仲間たちは再び新たな問題物件へ向かい、その先にはいつものように犬頭の姿があった。

見どころ

○浅野ゆう子演じる“えみちゃん”の存在感
 最終話では薦田恵美子こと“えみちゃん”の存在が物語の感情的な核となっている。幼い雅弘を支えた恩人として登場し、再会の場面には長い時間の積み重ねが感じられる。死を恐れながらも雅弘の成長を喜ぶ姿は温かく、サスペンス要素の強いエピソードのなかで人間ドラマとしての深みを生み出している。雅弘との思い出話も印象的で、最終回らしい優しさに満ちた時間となっている。

○犬頭の推理と津島の悲劇
 今回の事件は超常現象に見える「天女の呪い」を現実の犯罪として解き明かす構成が秀逸である。津島の犯行は許されるものではないが、偶発的な事故からすべてを失うことを恐れ、さらに脅迫状によって追い詰められていく心理描写には哀しさも漂う。犬頭が方言という小さな違和感から真相へ到達する過程は、本作らしい観察眼と論理の積み重ねが光る見どころである。

○犬頭と雅弘を結ぶ最大の謎
 シリーズを通して張られてきた伏線の一部が明かされる点も大きな魅力である。犬太の正体や、犬頭が雅弘を守り続けてきた理由が示唆され、これまでの不可解な行動に新たな意味が加わる。さらに犬頭が販売特別室を守るため裏で奔走していたことも判明し、単なる名探偵ではない深い愛情が浮かび上がる。最後に再び「問題物件」の現場へ向かう姿は、本作らしい余韻と希望を残している。

感想

 最終回となる最後の部屋は高齢者向け住宅“アストラ”の中にある「終の部屋」。なんとも最終回にふさわしい。

 203、303、403と下の階から順々に住人がなくなっていき、次は自分の番だと思っているのが503の住人であり大島家の元家政婦・えみちゃん。

 高丸と販売特別室とは関わらないことを約束してしている犬頭はこの調査が仕事でなく個人的な行動というので協力するという何だかまわりくどい設定。

 ただ就業時間内に大島不動産で扱った物件の調査しているんだから、やっぱり仕事じゃないの?

 アストラの住人が立て続けに亡くなったのは、隣のマンションから転落死させた犯人を目撃した口封じのために殺されたのではないかと考える犬頭。

 そうなるとアストラに診察に来る医師・朝倉が怪しい。薬で心不全を起こせそうだし、極めつけは転落死した女性・美紅も同じ病院に勤めていた過去があったり、妻帯者で不倫関係にあったのではと想像させたりといかにもな感じ。

 ただ403の川原が白衣を着た人物と口論していたという目撃情報でこれは違うなと思った。恐らく、わざと白衣を見せて罪を朝倉に擦り付けているなとわかりやすかった。

 この情報は津島と同じスタッフの茉由香からだったので、もしかしてかばっている?実は付き合っていたりする?と考えたのだが違ったようだ。津島が邪魔になった美紅を消すためにうまく茉由香を利用した背景を想像していたのだが、そこまで下衆ではなかった。

 最終回のため部屋に絡んだミステリーの他、販売特別室が存続するのかどうかの問題、さらには犬頭の正体なんかも入れないといけないため、全体的に物足りなく感じた。

 犬頭と雅弘の関係、そして犬頭の正体、特に販売特別室を存続させる条件に関するところは、かなりあっさり。

 「終の部屋」の部屋も前回の「天使の棲む部屋」同様に2回に分けて放送してもよかったんじゃないかな。

 高丸と犬頭との最後に対峙する場面はサスペンスドラマにありがちなガケ。もちろん高丸を演じるのが「サスペンスの帝王」と言われた船越英一郎だから。

 また「バンデルハイツ」管理人を演じるのは3度目の登場となる徳井優。全部名前が違うのに瓜二つという遊び心が入っているのは面白かった。

 流れ的にもう犬頭は登場しないのかなと思ったら最後に名刺を出して「犬頭だ」というシーンで終了。まだまだ活躍しそう。この先、スペシャルドラマ復活もありそう。