問題物件⑩

REVIEW

第10話 天使の棲む部屋 解決編

キャスト

犬頭光太郎 … 上川隆也
若宮恵美子 … 内田理央
大島雅弘 … 宮世琉弥
有村次郎 … 浜野謙太
片山芳光 … 本多力
大島高丸 … 船越英一郎

【第10話ゲスト】
襟岡真都 … 忍成修吾
堀幹彦 … 佐戸井けん太
織山仁 … 加藤諒
馬場亜紀 … 菅野莉央
富沢辰也 … 小久保寿人

あらすじ

○密室で起きた不可解な死
 「天使の棲む部屋」を調査していた若宮恵美子(内田理央)と犬頭光太郎(上川隆也)は、宿泊客の富沢辰也(小久保寿人)が部屋の中で死亡しているのを発見する。富沢は投資詐欺で多くの被害者を出しながらも無罪となった人物であった。現場には拳銃が残され、一見すると自殺に見える状況だった。しかし犬頭は、扉や室内の状況を観察した結果、これは自殺ではなく殺人事件だと断言する。館に集まった宿泊客全員が容疑者となり、閉ざされた館で新たな推理が始まるのである。

エレベーターが示した犯人像
 犬頭は館に残されたエレベーターの使用履歴や宿泊客たちの証言を一つずつ検証していく。被害者である富沢は誰かに命を狙われることを恐れ、自ら部屋の中にバリケードを築いていた。その配置や動かされた痕跡を見た犬頭は、犯人の身体的特徴まで推理してみせる。恵美子は聞き込みを進めるなかで、それぞれの宿泊客が富沢に恨みを抱く理由を知ることになる。被害者の過去と容疑者たちの感情が複雑に絡み合い、事件は単純な復讐劇ではない様相を見せ始める。

馬場が抱えていた怒り
 やがて犬頭は犯人が馬場亜紀(菅野莉央)であることを突き止める。車いす利用者である馬場だからこそ成立する犯行だったことを明らかにし、深夜に目撃された不自然な光景の意味も説明する。馬場の父親は富沢に騙され、その結果として命を落としていた。それにもかかわらず富沢は反省することなく生き続けていたため、馬場は自らの手で決着をつけようとしたのである。怒りと悲しみが積み重なった末の犯行であり、その告白は館に重い空気を漂わせるのだった。

○館に潜んでいた本当の悪魔
 殺人事件は解決したかに見えたが、犬頭は館にはまだ「悪魔」がいると告げる。そして突如として館を飛び出してしまう。その直後、オーナーの襟岡真都(忍成修吾)が行動を起こし、恵美子たちは再び「天使の棲む部屋」に閉じ込められる。さらに館内にはガスが流され、参加者たちはロシアンルーレットを強制されるという異常事態に陥る。これまで語られてきた“天使の裁き”の正体が、実は襟岡家に受け継がれてきた残酷な殺人遊戯だったことが明らかになるのである。

○ワンチームが迎えた勝利と別れ
 犬頭は館の外で大島雅弘(宮世琉弥)と有村次郎(浜野謙太)に合流し、襟岡の正体を暴く。危機一髪の場面で館へ突入した犬頭たちは恵美子らを救出し、襟岡の凶行を阻止することに成功した。事件解決後、雅弘は念願だった犬太との散歩を楽しみ、仲間たちは記念写真を撮影する。しかしその裏で犬頭は、大島高丸(船越英一郎)とある取引を交わしていた。販売特別室を守る代わりに、自分が二度と彼らに関わらないという条件である。不穏な余韻を残しながら物語は最終章へ向かう。

見どころ

○馬場の動機が生んだ切ない真相
 第10話前半の見どころは、馬場による殺人の真相である。密室トリックの解明そのものも面白いが、より印象的なのは彼女の動機だ。富沢に人生を壊された家族の苦しみは本物であり、単純に犯人として断罪できない感情が描かれる。犬頭が冷静に事実を明らかにしながらも、馬場の悲しみを無視しない姿勢が本作らしい。被害者と加害者の境界が揺らぐ人間ドラマとして見応えのある場面である。

○雅弘と有村のワンチーム精神
 館へ向かう途中の雅弘と有村のやり取りも大きな見どころだ。長年外へ出られなかった雅弘が恵美子を助けるために行動し、有村も最後まで寄り添う。車の故障という障害がありながら、「俺たちはワンチームだろ」という言葉を交わして前進する姿は胸を打つ。これまで守られる側だった雅弘が、自ら誰かを守ろうとする成長がはっきりと描かれた重要なエピソードである。

○犬頭が選んだ苦い決断
 ラストで明かされる犬頭と高丸の取引は、第10話最大の衝撃である。販売特別室を守るため、自分が姿を消す選択をしていたことが判明する。いつも自由奔放に見えた犬頭が、仲間たちの未来を優先して身を引こうとしていた事実は重い。恵美子との別れを予感させる挨拶も含め、最終回への期待と不安を大きく高める締めくくりになっている。

感想

 「天使の棲む部屋」に隠された謎というのが前回の問題だとすれば今回はその回答。

 織山は小物感漂う感じで、富沢殺しの犯人には思えず、恐らくハンディキャップのある堀か馬場の2択なんだろうと思った。

 そして犯人が堀ならば目、馬場ならば足、本当はそれぞれの箇所が不自由でないのでは?予想していた。

 予想通り、その2人のうちの馬場が犯人だったが、足が悪いのはフェイクではなく車椅子を必要とする人間だった。しかし、そのことが部屋に入った証拠となってしまう。「天使の棲む部屋」に入るために観音扉を両方開く必要があったのは車椅子の馬場のみだった。

 織山のワインすり替えにワゴンを使い、そして堀と鉢合わせた馬場がその場所に隠れ、堀はそれをいつものワゴンだと思って掴んだ車椅子の取手という流れ。綺麗につながっている。

 都合良すぎな感じがしないでもないがミステリーではありがちな感じで違和感はない。

 ただ1Fにエレベーターで降りて「天使の棲む部屋」のカギをこじ開けて中に入り、富沢を殺して2Fにエレベーターで戻るまでの時間が7〜8分は短すぎない?そんな短時間で全てを行うことは可能なんだろうか?

 それと堀、織山、馬場はこの屋敷に何度も来ているのだろうか?会話の内容からは初めて訪れたような感じもするが、犬頭の富沢殺しの犯人推理の場面で「いつもはワゴンが置いてある場所」といい台詞からは初めてでないような気もする。

 また、悪魔の顔を見せた襟岡は「法が裁けない罪人を裁く」と言いながら投資詐欺の被害者をデスゲームに参加させるのもよくわからない。犯罪者に死をかけたロシアンルーレットをさせるのを被害者遺族に見学させるのが襟岡家ではないのか?

 この辺で何かブレが出ているなと感じる。それから堀と馬場の体が不自由になったのも投資詐欺にあったことを発端にする理由にすれば、もっと富沢に憎悪の気持ちを持てたかなという気もする。

 「天使の棲む部屋」の件が解決したのも束の間、犬頭と高丸の間で何やら取引をしたようだ。恵美子との別れ際、犬頭が意味有りげな感じで去っていく。販売特別室とはもう本当に関わりは持たないのだろうか?