問題物件⑦

REVIEW

第7話 居座られた部屋

キャスト

犬頭光太郎 … 上川隆也
若宮恵美子 … 内田理央
大島雅弘 … 宮世琉弥
有村次郎 … 浜野謙太
片山芳光 … 本多力
大島高丸 … 船越英一郎

【第7話ゲスト】
猪俣広巳 … 五頭岳夫
沓中照彦 …中村シユン
若頭代理 … 北代高士
岩下圭吾 … 古関裕太

あらすじ

○立ち退かない最後の住人
 若宮恵美子(内田理央)は、本社で開発事業部の岩下圭吾(小関裕太)から相談を受ける。再開発計画によって取り壊しが決まったマンション「コーポゴア」で、たった一人だけ立ち退きを拒否する住人がいるというのだ。販売特別室の大島雅弘(宮世琉弥)の了承を得た恵美子は現地へ向かう。そこで犬頭光太郎(上川隆也)と合流し、住人の猪俣広巳(五頭岳夫)と接触する。しかし猪俣は説得に全く応じず、部屋の様子にも生活感が乏しかった。恵美子は占有屋を疑うが、犬頭はさらに危険な背景を感じ取っていたのである。

暴力団と再開発の思惑
 調査を進めた二人は、周辺一帯を縄張りとする暴力団「太平洋組」の存在を知る。犬頭は迷うことなく事務所へ乗り込み、恵美子を慌てさせる。しかし事務所では組長の愛犬たちが預けられており、犬頭は驚くほど自然に犬たちと打ち解ける。その後、有村次郎(浜野謙太)の調査によって、太平洋組の縄張りを新興勢力のオクトグループが狙っていることが判明する。コーポゴアは両勢力の均衡を保つ最後の拠点となっており、立ち退き問題の裏には単なる不動産開発では済まない事情が隠されていた。

雅弘の熱と犬頭への疑念
 一方、大島家では犬太(コラレ)と雅弘が家族になった記念日を迎えていた。七年前、両親の葬儀の日に突然現れた犬太は、雅弘にとって特別な存在である。しかしその頃から高熱を出して寝込んでしまう。看病のため屋敷に残った恵美子は、幼い雅弘と犬太によく似た犬が写る写真を発見するが、雅弘自身は誰が撮影したのか覚えていなかった。同じ頃、高丸と片山芳光(本多力)は犬頭の存在を探り始めており、彼を巡る謎が少しずつ表面化していく。

○新聞配達員が握る鍵
 回復した雅弘を見届けた恵美子は再び調査へ戻る。そこで犬頭は、毎日コーポゴアを訪れる新聞配達員・沓中照彦(中村シュン)に注目する。太平洋組の事務所前を自由に通過できる唯一の人物だったからだ。聞き込みの結果、沓中は長年の配達によって組員たちから顔を覚えられ、警戒されていないことが判明する。その情報を聞いた瞬間、犬頭は事件の全体像を理解する。立ち退きに応じない猪俣の正体もまた、想像とはまったく異なるものだったのである。

○殺し屋が抱えていた喪失
 太平洋組組長の帰還日、新聞配達員に扮した人物が組長へ拳銃を向ける。しかし犬頭が間一髪で阻止する。正体は沓中ではなく猪俣だった。猪俣は占有屋ではなく、オクトグループから依頼を受けた殺し屋だったのである。だがその背景には、妻と愛犬を失い、生きる希望をなくした孤独な人生があった。墓を建てる資金欲しさに危険な依頼を引き受けたのだった。犬頭は事情を聞いた上で猪俣を逃がし、事件は終結する。そして帰宅した犬頭は泥酔した恵美子を背負って大島家へ向かい、ついに雅弘と鉢合わせするのであった。る。

見どころ

○不動産問題と裏社会の結び付き
 今回は怪奇現象ではなく、再開発と暴力団抗争が中心となる異色の物語である。立ち退き拒否の理由を追ううちに、不動産開発が裏社会の勢力図にまで影響を与えている構図が明らかになる。これまでのオカルト色とは異なるサスペンス性が強く、社会派ミステリーとしての魅力が際立った回だった。

○犬頭の人間味が垣間見える場面
 太平洋組の事務所で犬たちと触れ合う場面や、人生に絶望した猪俣へ向ける視線には、犬頭の優しさがにじみ出ている。真相を暴くだけではなく、相手の事情を理解しようとする姿勢が印象的である。冷静な名探偵としての顔だけでなく、喪失を抱えた人々への共感が描かれたことで、犬頭という人物の奥行きがより深まった。

○犬頭と雅弘の謎が大きく動く終盤
 最大の注目点は縦軸の進展である。犬太が雅弘の前に現れた経緯や、記憶の空白が示されるなか、高丸と片山は犬頭の正体に迫ろうと動き出す。そしてラストでは、恵美子を背負った犬頭が大島家の前で雅弘と鉢合わせするという衝撃的な場面が描かれる。これまで巧妙に避けられてきた二人の接触が目前に迫り、物語は新たな段階へ進んでいく。

感想

 タワマン建設で取り壊し予定のマンション。そこの住人の立ち退きを依頼が今回の話。

 立ち退かないってことは何らかの理由があるはず。それを調べるために犬頭は立ち退かない住人・猪俣の部屋にずかずかと入っていく。しかもトイレを借りる名目なのだからずる賢い。

 殺風景な部屋に目立つのは部屋の片隅にある新聞くらい。恵美子は占有屋、犬頭は暴力団絡みと考える。猪俣が住んでいるような雰囲気がないってことは、暴力団が何らかの形で絡んでいるのかもしれないのは想像に難くない。

 案の定、太平洋組とオクトグループのシマ争いだった。太平洋組の組長や幹部連中が事務所に来る時は通常は前の道は警護のため封鎖される。しかし、猪俣への新聞を届ける配達員だけは通れる。それを利用して配達員に背格好の似た猪俣を使って太平洋組の組長殺害を計画が隠されていたというのが今回の真相。

 ただ、犬頭が太平洋組のビルへ乗り込んで、組員と友好的になってしまうのはよくわからん。組員たちは数匹の犬に手を焼いていたから、一瞬で手懐けた犬頭に一目置くようになったということなんだろうけれど、そのシーンを実際に見てみたかった。

 だって、いきなり暴力団事務所に部外者が乗り込んできたら普通は武力で排除されると思うのだが、組員と犬と犬頭と中で一体何をどうやった?

 マンション立ち退きの裏に暴力団絡みの抗争が隠れていたのは面白かったけれど、犬頭の正体の方にも気になった。

 犬太、さらに雅弘との関係もそうだし、記憶力が良いとされている有村が犬頭と出会った記憶がないというのもそこに何かが隠されていそうだ。

 そして、高丸と片山も犬頭の存在に気づいたようで、いずれ犬頭に隠された真相が明らかになるのか?