相続探偵③

REVIEW

第3話 マリーアントワネットの相続

キャスト

灰江七生 … 赤楚衛二
三富令子 … 桜田ひより
朝永秀樹 … 矢本悠馬
福士遥 … 落合モトキ
金山竜 … 渋川清彦
羽毛田香 … 三浦貴大
地鶏健吾 … 加藤雅也

 灰江と朝永は、コーヒー仲間である将棋道具店の店主・香車から希少なコーヒーが入ったという連絡を受け、香車の家へ。そこに朝永が恋する猫カフェの店長・ソフィーが現れる。香車はソフィーの保護猫活動に共感してカフェに通い詰め、猫を譲り受ける。ところが3日後に香車が急逝してしまう。香車は一人息子の金斗ではなく「全ての財産はマリーアントワネット様に遺贈します」と謎の遺言書を残していた…。


 いきなり朝永の様子がなんだかおかしい。ボッーとしていたかと思えばニヤニヤ、そして次の瞬間には落ち込むんだ様子。

 一体、何があった朝永?と思ったら猫カフェの女性店長・ソフィーに恋をしていた。ベタな表現でやり過ぎな感じすらした。ため息ぐらいはあっても、あそこまでに成る人って実際にはいないよ。

 しかも決まってその恋は実らないのが定番だ。その通りに最後はソフィーは結婚していたという事実が明かされて朝永は玉砕。

 今回の相続は灰江のコーヒー仲間だった加藤香車の遺産に関するもの。一人息子は金斗。将棋道具店を経営していたとはいえ、親子してなかなかな名前だ。

 数日前までは元気だったのに虚血性心疾患で急死した香車。そんな彼が残した遺言書には「すべての財産をマリーアントワネット様に遺贈します」。

 不思議な内容だ。それと同時に急死ということは遺産を狙って香車の命を奪ったのではないか?そして、その人物がこの遺書に関わっているのではないか?と思った。

 金斗かソフィー辺りか?ただ金斗は一人息子だし、会社も経営していて金にも困っていなさそう。そもそも“マリーアントワネット”とわざわざぼかすようなことを遺書に書くだろうか?

 となるとソフィーか。そんなことを考えていると香車が猫カフェからもらう受けた猫の名前が“マリーアントワネット”。猫の世話をする人に財産を残すって意味で、それはソフィーってことなのかなと思った。

 ただ、何か回りくどいことしていて、もしかして彼女も違うのかも?いったいどういうこと?謎ばかりが深まる。

 その謎を解くカギは古びたコーヒー缶の中にあった。香車とソフィーの母との婚姻届が入っていた。ソフィーの母だから“マリーアントワネット”。しかし本名だとは思わなかった。

 香車が31年前に再婚を考えた相手…しかし多感な年頃の金斗のことを考えて諦めた。その彼女に遺産をというのが真相だった。

 終わってみれば意外にいい話だった。ただ一つ香車の将棋道具店って一見すると儲かっているようには感じなかった。でも匿名で寄付したり、会社の株を買ったり、おそらくそれなりの金額の遺産も残したようで、どういう商売の仕方をしていたんだろう?という気になった。