相続探偵②

REVIEW

第2話 その女、危険につき

キャスト

灰江七生 … 赤楚衛二
三富令子 … 桜田ひより
朝永秀樹 … 矢本悠馬
福士遥 … 落合モトキ
金山竜 … 渋川清彦
羽毛田香 … 三浦貴大
地鶏健吾 … 加藤雅也

 灰江相続調査事務所に生命保険会社の鬼頭と資産家・武三の娘・真琴がやってきた。真琴の母と武三は数年前に離婚。武三は4カ月前に再婚したが先月、心筋梗塞で急逝。遺産の全てを後妻・(紗流に相続させると遺言書を残していた。(紗流は結婚と死別を繰り返し、これまでも高額な生命保険支払金を何度も受け取っていた。灰江は武三の死の真相解明を依頼されるが…。


 灰江相続調査事務所は赤字続きの火の車。こういう事務所って経営が潤っていることがなくて貧乏なのが定番だ。

 定番といえば今回の話である結婚と死別を繰り返し、高額な生命保険支払金を何度も受け取っているような人は殺人に関わっていることが多い。

 複数回、しかも相手は資産家ばかりとなると最初から狙って結婚しているでしょうって思うのが普通だ。実際の事件でもニュースを賑わせたこともあったと思う。

 銀座のクラブでホステスをしていた紗流は魔性の女。身内となったものが死んで高額な保険金を受け取った過去が3度もあった。

 配偶者はすべて心筋梗塞で死亡、ただし3回目の相手である八木和也だけは、ひき逃げ事故で死亡、しかも彼だけは結婚ではなく、様子縁組となっている。

 灰江たちは潜入調査を開始し、紗流が有名絵画を本物とそっくりに模写でき、さらにサインまでも…。

 この辺が事件のカギになりそう。特にこれだけ正確に模写できるのであれば、保険契約書や遺言書もまねて書くことも出来そうだ。

 そう思っていると紗流はホステス時代に客と交換日記をしていたということが判明する。さらに全てを画像として記憶にとどめることができ、日記のおかげで筆跡を真似できることが可能になった。

 最終的にやはり保険契約書と遺言書は紗流が偽造していたが、心臓麻痺をおこさせていた薬は海外製の毒だった。日本では出回っていないため、司法解剖では引っかからなったという理由だった。

 和也だけ養子縁組だったのは、彼とは恋に落ち、裏組織から結婚した相手は殺せと命令されていたためだが、バレて組織に消された。

保険金殺人といえばやっぱり殺人の手口が肝だと思うので、ロシアルートで手に入れた「名もなき毒」では面白さがない。こんな手法があったかといい意味での裏切りを期待していただけに、そこで興ざめしてしまった。

後は、紗流が裏組織と関わるようになった経緯などは描かれていなかったが、その辺も知りたかった。

 それ以外、保険証や遺言書を偽造できた理由や和也だけ死因が違った理由は面白かったし、紗流が「あなたともっと早く出会っていたら…」と灰江に微笑みのも意味深で含みをもたしているのもいい。

 最後に怪しげなフリーの週刊誌記者が出てきたけれど、過去に因縁があったようで、灰江が弁護士を辞めた原因に関係していそう。