第7話 犯人は神か人間か!? そして、新たなる神登場!
キャスト
興玉雅 … 藤原竜也
雨野小夢 … 広瀬アリス
直毘吉道 … 柿澤勇人
豊玉妃花 … 福本莉子
北野天馬 … 小宮璃央
二宮のの子 … 成海璃子
芹田正彦 … 迫田孝也
荒波健吾 … ユースケ・サンタマリア
宇喜之民生 … 小日向文世
【第7話ゲスト】
佃未世 … 石田ひかり
寿正 … 野間口徹
大月比呂佳 … 田山由起
刀田楓真 … ジャン・裕一
あらすじ
○消えた神と、4カ月前の小夢
雨野小夢(広瀬アリス)が自分は天宇受売命だったと気づいた瞬間、第7話は4カ月前へ遡る。当時、小夢は警視庁音楽隊カラーガードとして働きながら、「全領域異常解決室」の室長も兼任していた。そんな中、料理研究家・大月比呂佳(田山由起)が神隠し事件の被害者となる。大月は糧食を司る大宜津比売神であり、「全決」の面々に温かな食事を振る舞ってきた存在だった。興玉雅(藤原竜也)は、消された神々が互いに繋がっている点に注目し、ヒルコが次の標的を探すため、神々から知人の情報を聞き出している可能性を示唆する。小夢と興玉が、大月の最後の焼きおにぎりを静かに食べる場面には、単なる捜査を超えた喪失感が漂っていた。神々もまた、誰かを失えば悲しむ存在なのだと伝わる導入である。
○役小角という仮説
興玉と小夢は、大月と交流のあった広告代理店社長・刀田楓真(ジャン・裕一)を訪ねる。小夢が鈴を鳴らして足踏みすると、刀田が慌てて飛び出してくる演出には、天宇受売命としての力が自然に滲んでいた。その後、小夢は興玉に対し、「ヒルコは人間ではないか」という大胆な仮説を語る。飛鳥時代に、神の記憶を消す事戸渡しを習得した呪術者・役小角の存在を引き合いに出し、今も生き続けている可能性を示すのである。これまで神同士の争いとして描かれてきた物語に、人間が神へ干渉する視点が加わったことで、世界観はさらに不穏さを増していく。しかし、その会話を何者かがAI解析していた事実が後に明らかとなり、超常の世界に現代テクノロジーが食い込んでくる構図も印象的であった。
○小夢、事戸を渡される
数日後、小夢は刀田から「芹田正彦(迫田孝也)に天罰が下った」という偽情報を聞かされ、彼の車に乗り込む。しかし、その裏でヒルコは「刀田に天罰を下した」という犯行声明を発表していた。異変を察知した興玉たちは小夢のもとへ急行するが、彼女は神器で腹部を刺され、致命傷を負っていた。豊玉妃花(福本莉子)が水の力で一時的に止血し、「全決」へ搬送された小夢を救ったのは、夜を司る神・月読命である佃未世(石田ひかり)だった。月光を鏡で集め、時間そのものを巻き戻して傷を消す治療シーンは、第7話屈指の幻想的な場面である。しかし、小夢は命こそ助かったものの、事戸を渡され、神としての記憶を完全に失ってしまう。仲間たちが安堵と絶望を同時に抱える展開は重い余韻を残した。
○人間として生きる小夢
神の記憶を失った小夢は、普通の人間として暮らし始める。遠くから彼女を見守る興玉と芹田の視線には、戦友を失ったような寂しさが滲んでいた。しかし興玉は諦めない。宇喜之民生(小日向文世)に掛け合い、小夢を警視庁広報課から「全決」へ異動させるよう求めるのである。神としての記憶は戻らないと言われながらも、興玉は異常事態の今こそ彼女が必要だと訴える。その後、「全決」に配属された小夢は、何も知らない人間として新たな生活を始める。周囲は彼女に正体を隠しながら支え続けるが、小夢にはどこか神だった頃の感覚が残っていた。勘の鋭さや行動力は健在であり、彼女自身も少しずつ違和感を抱き始める。神としてではなく、一人の人間として再出発する姿が丁寧に描かれていた。
○寿正の目的と修理固成
現在へ戻った小夢は、ついに自分が神だった事実を知る。興玉はこれまでの経緯をすべて打ち明け、小夢は改めて「全決」の室長として立ち上がる決意を固める。その頃、警視庁では過食窒息事件の証拠品だった人魚のミイラが紛失していた。一方、そのミイラはテミスホールディングスCEO・寿正(野間口徹)の手から、月読命である佃へ渡されていた。寿は修理固成――神々を総入れ替えする計画を語り始める。AIによる解析、人魚の蘇生、そして神々の淘汰。ここに来て、ヒルコ側の思想と目的が輪郭を持ち始めたのである。神話とテクノロジーが結びつき、世界そのものを書き換えようとする巨大な構想が姿を現した回であった。
見どころ
○小夢を巡る喪失のドラマ
小夢が神としての記憶を失うまでを描く喪失の物語である。これまで陽気で快活だった小夢が、何も知らぬ普通の人間へ戻ってしまう展開は非常に切ない。特に、彼女を見守る興玉や芹田の表情には、言葉にしきれない感情が詰まっていた。仲間を失った悲しみと、それでも生きていてくれた安堵。その両方が静かに滲み出ている。広瀬アリスも、記憶喪失後のどこか空白を抱えた小夢を繊細に演じ分けており、単なる設定変更に終わらせていない。シリーズの転換点としてだけでなく、キャラクターたちの関係性を深く掘り下げた回である。
○神話と現代技術の融合
神話世界にAIや巨大IT企業が介入してくる構図が鮮明になる。寿正がAIで会話を解析していた描写は、神秘と科学が対立ではなく融合している点で非常に興味深い。古代の呪術や神々の能力を、現代テクノロジーによって解析・管理しようとする発想には不気味さがある。単なるオカルトドラマではなく、情報化社会における神を描こうとしているのが本作の面白さだ。寿の掲げる「修理固成」という思想も、秩序を更新するために既存の神々を淘汰するという危険な合理性を孕んでいる。ここで物語は、怪異事件の解決から思想戦へと進み始めた印象を与える。
○月読命の治療シーンの幻想性
佃未世による小夢の治療場面は映像的な美しさを放っていた。鏡に反射した月光が傷口へ注がれ、時間そのものを巻き戻していく演出は、日本神話の神秘性を現代ドラマとして見事に映像化している。石田ひかりの静かな祝詞も印象深く、医療ではなく時間で治すという発想が、神々の能力の異質さを際立たせていた。ただし、命は救えても記憶までは守れない。その限界があるからこそ、この場面には救済と残酷さが同居している。神であっても万能ではないという本作のバランス感覚がよく表れていた。
感想
小夢は自分も神だと気づいたところで、話は4カ月前に遡る。これまでの経緯が興玉が小夢に話すという体裁で明らかになる。
小夢は芸能の神・天宇受売命で全決の室長を務めていた。そして何者かに腹部に傷を負った挙句に事戸を渡されて神としての記憶を失ってしまう。
全決に異動になるくらいだから、おそらく小夢も神なんだろうとは思っていた。ただ神としての自覚もないし、能力もない。
神の魂が宿って、物心がつけば神としての記憶を思い出すのにそれがない。神ではないのか?それとも何らかの理由があるのかと疑問に感じていたことがわかってスッキリした。
小夢に事戸渡しを行ったのはヒルコなのだろうが、本当は神を名乗っているだけでただの人間なのか?
飛鳥時代に「事戸渡し」を習得した人間がいたなんて描写をわざわざいれてるし、犯行声明でも「私は神の一柱…」とわざわざな記述しているのが気になってもいた。
もっともヒルコは神の子として数に入れないとも言われているから、それに対する反発の意味なのかもしれないとも思えるが…。
後は5人目の被害者となった刀田楓真。小夢を誘い出した時の刀田。普段は自分のことを「私」というのにこの時だけ「わし」と言っていたという謎。
さらに新たな登場人物・寿正。小夢と興玉の会話を聞いていたりしてヒルコに近い人物なのか?それともヒルコなのか?
さらにこの人物と佃未世が噴出した人魚のミイラを渡して何やら物騒な話をしている。小夢を助けた月読命である佃は神でありながら全決にいる神らとは敵側ということ?
小夢の謎がわかったと思ったら、新たな謎。それから小夢は再び神に戻れるかどうかが今後気になる。
