第3話 親友についた嘘…命の恩人は松葉牡丹の君?
祝左右馬 … 鈴鹿央士 浦部鹿乃子 … 松本穂香 端崎馨 … 味方良介
藤島千代 … 片山友希 倉田達造 … 大倉孝二 倉田ヨシ江 … 磯山さやか
六平 … 今野浩喜 久我山小百合 … 村川絵梨 藤島雪乃 … 櫻井淳子
藤島幸弘 … 杉本哲太 浦部フミ … 若村麻由美
左右馬と鹿乃子は古道具屋にガラクタを、持ち込み、鹿乃子の力で少し高く買い取ってもらえた。そんな中、端崎が探偵事務所にやって来る。雑誌の記事に写っている女性が自分の命の恩人ではないかと左右馬に聞く。端崎は先月、左右馬にもらった3日前の「つくし焼き」を食べ、腹痛を起こし苦しんでいるところをその女性に介抱されたと言う。だが、左右馬は「違う」と言うが、鹿乃子にはそれが嘘をついていることに気づくが…。
古道具屋でやってきた左右馬は鹿乃子。事務所内にあったガラクタをリヤカーに乗せ、売るためにやってきた。
実はガラクタの中には高価値なもの混じっており、それを安い値で買い叩かれないような展開を想像していたが違った。
よくよく考えれば左右馬の事務所にそんなものはなさそうだし、鹿乃子の力を使っても嘘をついているかはわかっても高価値かまではわからない。
鹿乃子の力でそれなりの値段でガラクタは売れたものの、そんなことに能力を使うには釣り合っていない感じ。
左右馬なら探偵で観察力や話術を使って鹿乃子の力を使わずとも、良い値段で買い取ってもらえそうに思えるが…。
今回のメインは端崎が食あたりになった時に介抱してくれた“松葉牡丹の君”の話。古道具店・店主の酔い潰れて財布を盗まれた話と探偵事務所での左右馬と端崎の掛け合いは序章といったところだろうか。
食あたりで倒れ込んだ時に介抱してくれた女性が六十番街にある料亭の仲居ではないかという端崎に対しての左右馬が違うという。だが、鹿乃子にはそれが嘘だと気づく。何故、友人に嘘をつくのかという謎で物語は進んでいく。
“松葉牡丹の君”は実は介抱ドロで古道具店・店主が被害にあい、端崎も被害に合いそうになったが、左右馬の視線に気づいて何もせずに去っていったというのが真相だった。
料亭の前で“松葉牡丹の君”が連行された後で、端崎が左右馬たちに気づき「やはり貴様には敵わんな」といって微笑む。事の真相を悟った端崎が左右馬に言った短い言葉だが感謝が凝縮されていた。
普段はお互いをぞんざいに扱っているが、ここぞという時の友情を表したいいシーンだった。
さらに左右馬が嘘をついたのは端崎のためだけでなく、鹿乃子に向けてでもあった。彼女が一人で悩んでいたが、一人で悩まず一緒に悩みを抱えるという左右馬は鹿乃子にいって物語は終わる。
ここもいいシーンなんだけれど、欲を言えば、鹿乃子の目から涙が頬を伝わるところは、左右馬を見ず、うつむいていて涙顔は見せない方が趣があってよかったと思う。