新宿野戦病院⑦

REVIEW

第7話 迫る、看護師長・堀井しのぶの人生と母親への想い!

キャスト

ヨウコ・ニシ・フリーマン … 小池栄子  高峰享 … 仲野太賀  南舞 … 橋本愛
高峰はずき … 平岩紙  横山勝幸 … 岡部たかし  田島琢己 … 馬場徹
堀井しのぶ … 塚地武雅  若井あかね … 中井千聖  村木千佳 … 石川萌香
吉野勇介 … 萩原護  岡本勇太 … 濱田岳  リツコ・ニシ・フリーマン … 余貴美子
白木愛 … 高畑淳子  高峰啓三 … 生瀬勝久  高峰啓介 … 柄本明

 通報を受けたと岡本はあるマンションを訪れていた。部屋の中には老人・田辺が倒れていて、聖まごころ病院に緊急搬送される。

 聖まごころ病院の面々は、なんとか処置を施そうとするが、願いは叶わず。天才ドクターを主人公にしたドラマだと、きっと助かるんだろうけれど、現実はこんな感じなんだろうね。

 医院長・啓介は死亡確認も医者の立派な役目だと言って一礼してそれをヨウコに伝えるのだった。田辺の娘は孤独死なんて情けないと言うが、まごころへ来ていた老人たちは、一昨日はスナックで歌っていたとか、先週は高尾山に登った等、思い出話を伝える。最後はみんなでご遺体にお供え物を添えたりして、決して孤独じゃなかったという場面はほっこりした。

 こういうシーンを見ると冒頭の享の「(どこも悪くないのに病院に来るのは)生存確認でしょうね」というのは的を射ているように思う。

 さらに見た目で爺さんだと思っていた人が婆さんで、そしてアメリカ人は爺さんは頭が薄い、婆さんはケツがでかいと言うヨウコ。それに対して堀井が個人の感想ですというのもなかなか深い。この享の放った言葉同様、この後、堀井が抱える過去へと繋がっていく。

 家では認知症の母・房江のためメイクを落とし、カツラを被って亡くなった亭主関白の父のように振る舞って冷たくあたる堀井。病院ではメイクをして本来の自分である女性として出勤。着替えは毎日カフェ。ところでカフェでの注文時と品物を受け取る時で堀井は姿が違うけれど、店員は不思議に思わないのだろうか?それとも毎日のことなので慣れっこなのだろうか?

 そんな折、母・房江は堀井にお弁当を渡すため自転車に乗って追いかけて行く。そして歩道から飛び出してきた少年とぶつかり交通事故を起こしてしまう。

 昨今、若者が猛スピードで自転車を走らせて高齢者にぶつかって大怪我させたり、命を奪ったりというケースがあるので、逆のパターンでもよかったのではと思った。

 孤独死に認知症に自転車事故、それから性同一性障害となかなか詰め込んだ回だった。とはいえ毎度のことながら笑えるシーンがあったりするから重苦しいだけでないのはいいかな。

 気になったのは田島がなぜ泌尿器科を選んだのかをもっと聞きたかったし、堀井の母を演じた藤田弓子はかなり年取ったなと感じたし、父を演じた野添義弘は何故かカツラかぶってるし。