新宿野戦病院④

REVIEW

第4話 聖まごころ病院の秘密!?望まれず生まれた子供の苦悩!

キャスト

ヨウコ・ニシ・フリーマン … 小池栄子
高峰享 … 仲野太賀
南舞 … 橋本愛
高峰はずき … 平岩紙
横山勝幸 … 岡部たかし
田島琢己 … 馬場徹
堀井しのぶ … 塚地武雅
若井あかね … 中井千聖
村木千佳 … 石川萌香
吉野勇介 … 萩原護
岡本勇太 … 濱田岳
リツコ・ニシ・フリーマン … 余貴美子
白木愛 … 高畑淳子
高峰啓三 … 生瀬勝久
高峰啓介 … 柄本明

あらすじ

○ヨウコを襲う刺客とマユの救済
 義父を刺して逃走していたマユ(伊東蒼)が歌舞伎町を彷徨う中、聖まごころ病院では不法侵入した米国人・マイケルがヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)を襲撃していた。ヨウコは一瞬の隙を突き、見事なハイキックと膝蹴りで応戦するが、ナイフを手にしたマイケルに窮地に追い込まれる。居合わせた高峰享(仲野太賀)が動揺して何もできずにいる中、突如現れたマユが、享が持っていた熱湯入りのカップ焼きそばをマイケルの頭に浴びせ、ヨウコを救った。マイケルは逮捕され、ヨウコは米国での売人との因縁が原因で命を狙われていたという過去の経緯を享らに明かす。

○明かされる過去と母リツコの来襲
謎のインフルエンサー「イ・オンナ」の正体は、ヨウコの実母であるリツコ・ニシ・フリーマン(余貴美子)であった。リツコは院長の高峰啓介(柄本明)と旧知の仲であり、ヨウコが日本へ逃れてきた理由を啓介に語る。病院に戻ったヨウコと享はリツコと再会するが、以前リツコにホテルへ誘われそうになった経験を持つ享は激しく動揺する。リツコは病院スタッフと挨拶を交わすが、経理の白木愛(高畑淳子)は彼女に対し、災いをもたらす女特有の不穏な気配を感じ取っていた。聖まごころ病院に、新たな人間関係の火種が持ち込まれることとなる。

○家族の絆と歌舞伎町の奇妙な救急要請
 NPO法人「Not Alone」の南舞(橋本愛)、警官の岡本勇太(濱田岳)、ソーシャルワーカーの高峰はずき(平岩紙)らは、マユの母・カヨ(臼田あさ美)と面談を行う。カヨの身勝手な言い分に対し、岡本と南は激しく詰め寄る。その頃、歌舞伎町では立てこもり事件が発生し緊張が走るが、聖まごころ病院には「車内での性行為中に身体が離れなくなった」という奇妙な119番通報が入る。遭遇したヨウコは、男性側の沼田吾郎(三上市朗)がED薬の副作用で心疾患を悪化させていることを見抜き、即座に処置を開始。沼田は泌尿器科の田島琢己(馬場徹)の患者であった。

○救急の現場とマユが抱いた夢
 病院には不倫中だった沼田と、立てこもり現場の野次馬で倒れた負傷者が同時に搬送される。沼田の妻・かなえ(中島ひろ子)が駆けつけ、不倫相手の女性(長井短)を前に怒りを爆発させる修羅場となるが、ヨウコと享は連携して迅速に処置を行い、患者たちの命を繋ぎ止める。この一件を経て、マユはヨウコの働く姿に心を打たれ、「いつか病院で働きたい」という夢を抱く。マユは児童養護施設へ移ることになり、南や岡本たちに見送られて再出発を図る。一方、南から映画に誘われた岡本だったが、その意図を汲み取れず、周囲を困惑させる。

○新たな命の誕生と隠されていた血縁の秘密
 聖まごころ病院に、陣痛が始まった妊娠中の少女・カスミ(谷花音)が運ばれてくる。看護師長の堀井しのぶ(塚地武雅)らが奮闘し、無事に赤ちゃんが誕生する。その裏で、啓介とリツコははずきに対し、ヨウコが啓介の実子であることを告げる。この衝撃の事実に、実の娘として父を支えてきたはずきは深いショックを受ける。後日、生まれた子を育てる決意をしたカスミを周囲が祝福する中、心中複雑なはずきだけが、計画性のない出産をしたカスミに対して怒りを露にする。病院内の人間関係は、この血縁の秘密によって大きく揺らぎ始める。

見どころ

○ヨウコの超絶アクションと「ペヤング」の妙
 冒頭から繰り広げられるヨウコの格闘シーンは圧巻だ。小池栄子の身体能力を活かしたハイキックと膝蹴りのキレは、彼女が戦場帰りであることを視覚的に納得させる説得力がある。さらに、その緊迫感を「熱湯ペヤングで救出」という宮藤官九郎らしい脱力系コメディに転換させる演出が見事である。シリアスな暴力と日常のユーモアが隣り合わせにある歌舞伎町のカオスを、象徴的に描き出した名シーンといえる。何もできなかった享の情けなさが、逆にヨウコとマユの絆を際立たせている点も秀逸だ。

○「繋がらない身体」が描く歌舞伎町の業と愛
 車内で結合したまま離れなくなった男女という、一見下品で滑稽なトラブルを、心疾患という本格的な医療トピックに繋げる構成が素晴らしい。不倫相手との修羅場を背景にしつつも、医師たちが救命に没頭する姿は、「どんな事情があろうと命を救う」という病院の理念を体現している。また、この騒動を通じて描かれる妻の怒りや不倫相手の冷めた態度などは、欲望の街・歌舞伎町の生々しい人間模様を映し出している。笑いとシリアス、そして倫理観の交錯が絶妙なバランスで保たれている。

○「血縁」を巡る残酷な対比と感情の爆発
 第4話最大の衝撃は、ヨウコと啓介の親子関係の露呈である。新たな命(カスミの赤ん坊)の誕生という祝福すべき出来事の裏で、はずきが「隠し子の存在」という絶望を味わうコントラストが非常に残酷だ。これまで献身的に病院を支えてきたはずきが、無責任に子供を産んだカスミに対して放った怒りは、単なる正論ではなく、自身のアイデンティティを脅かされたことによる悲鳴のようにも聞こえる。この重厚な家族ドラマが、今後の物語にどのような影を落とすのか目が離せない。

感想

 聖まごころ病院に侵入した不審な男・マイケルがヨウコに襲いかかり首を締め付ける。ヨウコもスキをついて反撃に転じ、アントニオ猪木ばりの卍固め。しかし、マイケルもナイフを取り出し、万事休すと思いきや、マユがペヤングの熱湯をかけヨウコを救う。

 ヨウコの卍固めは前回の猪木つながり?さらに今回も登場のペヤング。もしかしていくらかもらっているの?

 そしてヨウコが襲われた理由が明らかになる。アメリカのいた時にルームメイトのアンナが薬物中毒になったため、トイレに薬物を流すだけに留まらず、売人の薬物までも大量に燃やし5億ドルの損害を負わせたのだった。そして命を狙われ日本に逃げてきたが売人も追ってきたのだった。

 ヤンチャしてたと話すヨウコだったけれど、ヤンチャの度合いがなかなかエグい。それにしても国外まで追ってきた上、ヨウコを見つけるスピードも早い。損害がでかいってのもあるけれど、売人のネットワーク網もなかなかすごい。

 第4話のメインはタイトルにもある「望まれず生まれた子供の苦悩」。イ・オンナの正体がリツコ・ニシ・フリーマンでヨウコの母親なのはわかっていたけれど、まさかヨウコとはずきが腹違いの姉妹だったとは…。

 はずきは病院家系で女性だったゆえ不遇、さらに医大志望も5浪で断念。かたやヨウコは院長・と本妻ではないリツコとの間に産まれた。しかし医者にもなっており、リツコはもとより育ての父からも愛されて育てられたんだろうなという気がする。その辺りがはずきは事実を知って激昂しているんだろう。今後、ヨウコとはずきの関係がどう進んでいくのかは見もの。

 また、望まれないまま育てられたマユだったり、望まれないまま妊娠し出産したカスミと、望まれない形がいくつも描かれている。マユはヨウコを見て、いつか病院で働きたいという夢を持ち、カスミは出産して、我が子を見て、離れたくないと思うようになる。

 ヨウコはともかく、望まれない存在だったマユやカスミが望む存在へと変貌している。方や、望む形で産まれたはずきはどうだろう。その辺の対比がなんとも深い。しかもみんな女性ってのが興味深い。