アンチヒーロー⑨

REVIEW

Episode 9 −約束−

キャスト

明墨正樹 … 長谷川博己  赤峰柊斗 … 北村匠海  紫ノ宮飛鳥 … 堀田真由
白木 凛 … 大島優子  緑川歩佳 … 木村佳乃  伊達原泰輔 … 野村萬斎

 最後の頼みの綱だった証拠の動画を失って、果たしてどう巻き返すのか。冤罪を晴らす糸口は何かないかと何度も読み込んだ事件資料を何度も読み返す明墨。

 赤峰も事件を洗い直そうと元検事・桃瀬の実家を訪ねる。明墨に渡していなかった資料と日記を託される。そしてその日記を読むことで百瀬の糸井一家殺人事件を調べる日々の足跡が描かれる。

 今まで写真での登場で既に亡くなっているという印象ぐらいしかなかっが、いずれキーマンとして登場するのだろうとは思っていた。明墨の検察時代の同期で、パラリーガルの青山は大学時代の後輩だったことが明かされる。志水の冤罪に気づいてこれからというところで病に倒れてしまう。

 時間がない百瀬が命は有限で尊い、自分は生きられないが救える命はある、無実の罪で命奪うのが、司法権力の傲慢であってはならないという言葉。

 明墨が検事から弁護士になって志水を救おうとしているのも彼女が存在が大きかったのだろう。同期で若くして他界して、思いを託された。それを知った今なら明墨が殺人犯を無罪にしてでもという狂気じみた執念のようなものもわかる気がする。

 瀬古に証言は願い出るも断られ、さらに伊達原の差し金で週刊誌が明墨を一斉に叩き出す。やられっぱなしの状態で、ピンチばかりが続く。でも最後に逆転して勝利するのがヒーローだからいい傾向なのかも。

 そんな折、メディアに叩かれ動けない明墨に変わり赤峰が志水に面会し被疑者ノートを入手してくる。連日10時間を超える取り調べや食事も与えられない。これって不当だったり違法に当たらないんだろうか?そもそもこの時についていた弁護士は何やっていたの?

 そのノートで紫ノ宮がある記述に違和感を感じる。糸井一家の死亡時の様子で眼瞼下垂に弛緩性麻痺と語ったとあるが、検出された毒物・タリウムにはそのような反応が見られない。これが何か突破口の糸口になるのか。

 志水が紗耶を思うように、倉田も紫ノ宮を思い、そして娘の将来を考えて伊達原と隠蔽の共犯になったことが留置所で明らかになる。伊達原も最後に落ちるとするならば娘・結奈が関係するように思えてならない。父親にとって特に娘は特別な存在だし、家庭でのシーンで「ルールを破った人間は罰せられる」と娘に言っているが、後々その言葉、娘から返ってくるような気がする。

 そして、明墨の逮捕、そして白木の裏切り?えっと思ったが、逮捕されるのはわかっていたというか、そういうふうに仕向けたように感じる。白木も明墨の命を受けてではないだろうか。とはいえ、今回、登場シーンも少なかったし、何かありそうな雰囲気はあったから驚きはしなかったが…。ただ、彼女が明墨法律事務所に来た理由を聞かれた時に発した言葉も意味深なんだよな。